[PG25] 大学の定期試験の準備状態に対する認知と成績予期
自由記述データにもとづくカテゴリ分け
キーワード:定期試験, 準備状態の認知, 成績予期
問題と目的
これまで,学習者が定期試験というイベントに対して抱く感情について様々な検討がなされてきた(e.g., Pekrun, 2009)。しかし,実際の教育場面において,学習者の感情に影響を及ぼすことが想定される準備の認知(試験準備がどの程度できているか)と,成績の予期(試験の結果自分がどの程度の成績を修めるか)の影響に関する検討は不足している。そこで,本研究では,それらの影響を検討する前提として,学習者がどのような根拠にもとづいた認知・予期を抱いているのかに関する自由記述データから,その実態を明らかにする。
方 法
調査対象者 大学2年生69名を対象とした。
使用尺度 回答の際には,前提として,試験の直前(それ以降,ノートを見返したり,資料を確認したりすることができない状況)における思考を問うことを教示した。質問紙は,試験準備が万端だ(不足している)と思う場面と,試験の結果がA以上(C)をとると思う場面の各4場面について,と場合と,そのように考える根拠を尋ねるものであった。
結果と考察
場面ごとの代表的な記述カテゴリ(記述数が5以上のもの)と,項目例をTable 1,Table 2に示す。準備においては万端・不足共に同様のカテゴリが得られたが,準備万端独自のカテゴリとして,漠然とした自信に関する記述がみられた。成績においては,Cの場合,A以上の場合にはあまりみられなかった試験以外の条件に関するカテゴリが得られた。今後は,これらの自由記述データをもとに,質問紙調査におけるより現実的な場面想定をおこない,試験期間中の学習行動などの変数との関連をみていく必要性があるといえる。
これまで,学習者が定期試験というイベントに対して抱く感情について様々な検討がなされてきた(e.g., Pekrun, 2009)。しかし,実際の教育場面において,学習者の感情に影響を及ぼすことが想定される準備の認知(試験準備がどの程度できているか)と,成績の予期(試験の結果自分がどの程度の成績を修めるか)の影響に関する検討は不足している。そこで,本研究では,それらの影響を検討する前提として,学習者がどのような根拠にもとづいた認知・予期を抱いているのかに関する自由記述データから,その実態を明らかにする。
方 法
調査対象者 大学2年生69名を対象とした。
使用尺度 回答の際には,前提として,試験の直前(それ以降,ノートを見返したり,資料を確認したりすることができない状況)における思考を問うことを教示した。質問紙は,試験準備が万端だ(不足している)と思う場面と,試験の結果がA以上(C)をとると思う場面の各4場面について,と場合と,そのように考える根拠を尋ねるものであった。
結果と考察
場面ごとの代表的な記述カテゴリ(記述数が5以上のもの)と,項目例をTable 1,Table 2に示す。準備においては万端・不足共に同様のカテゴリが得られたが,準備万端独自のカテゴリとして,漠然とした自信に関する記述がみられた。成績においては,Cの場合,A以上の場合にはあまりみられなかった試験以外の条件に関するカテゴリが得られた。今後は,これらの自由記述データをもとに,質問紙調査におけるより現実的な場面想定をおこない,試験期間中の学習行動などの変数との関連をみていく必要性があるといえる。