[PH71] 中学生における愛着スタイルが登校回避感情に及ぼす影響と学級機能の抑制効果
Keywords:登校回避感情, 学級機能, 愛着スタイル
問題と目的
現代において,不登校児童数は増加の一途を辿っており,小学校から中学校において,学年が上がるごとに不登校児童数が増加する傾向にあるとされている(文部科学省,2012)。また,学校に通いつつも学校に行きたくないと思う気持ちである「登校回避感情」を持つ「不登校のグレーゾーン」も存在する。
五十嵐・萩原(2004)では,中学生の親への愛着が不登校傾向に影響することを明らかにしている。しかし,この研究は回顧法を用いており,愛着の不登校傾向への影響に対する抑制要因が明らかにされていない。そこで,本研究では,抑制要因として,学級機能を取り上げ,中学生の登校回避感情と愛着スタイルの関連及び学級機能による抑制効果について検討することを目的とする。
方 法
調査対象者 東京都内の2つの公立中学校に通う中学1年生284名(男性159名,女性125名)を対象者とした。
調査内容 ①登校回避感情尺度(渡辺・小石,2000):3下位尺度6項目(5件法),②学級機能尺度(松崎,2006):3下位尺度各5項目(5件法),③母親に対する愛着尺度(本多,2002):2下位尺度15項目(4件法)で,項目文の「お母さん」を「周りの人」に変更し,使用した。
調査時期 2015年12月に学級担任が学級単位で実施・回収した。
結果と考察
愛着スタイルが登校回避感情に及ぼす影響 愛着スタイル2得点が登校回避感情3得点に影響するという初期モデルを作成し,共分散構造分析を行った。その結果,男女ともに回避性が登校回避感情3得点に影響を及ぼしていた。
学級機能の抑制効果の検討 愛着スタイルから学級機能を介して登校回避感情に影響するという初期モデルを作成し,共分散構造分析を行った(Figure. 1)。その結果,男女ともに,回避性から登校回避感情3得点への直接効果は低減し,学級機能が回避性の登校回避感情への影響を抑制していることが明らかにされた。
現代において,不登校児童数は増加の一途を辿っており,小学校から中学校において,学年が上がるごとに不登校児童数が増加する傾向にあるとされている(文部科学省,2012)。また,学校に通いつつも学校に行きたくないと思う気持ちである「登校回避感情」を持つ「不登校のグレーゾーン」も存在する。
五十嵐・萩原(2004)では,中学生の親への愛着が不登校傾向に影響することを明らかにしている。しかし,この研究は回顧法を用いており,愛着の不登校傾向への影響に対する抑制要因が明らかにされていない。そこで,本研究では,抑制要因として,学級機能を取り上げ,中学生の登校回避感情と愛着スタイルの関連及び学級機能による抑制効果について検討することを目的とする。
方 法
調査対象者 東京都内の2つの公立中学校に通う中学1年生284名(男性159名,女性125名)を対象者とした。
調査内容 ①登校回避感情尺度(渡辺・小石,2000):3下位尺度6項目(5件法),②学級機能尺度(松崎,2006):3下位尺度各5項目(5件法),③母親に対する愛着尺度(本多,2002):2下位尺度15項目(4件法)で,項目文の「お母さん」を「周りの人」に変更し,使用した。
調査時期 2015年12月に学級担任が学級単位で実施・回収した。
結果と考察
愛着スタイルが登校回避感情に及ぼす影響 愛着スタイル2得点が登校回避感情3得点に影響するという初期モデルを作成し,共分散構造分析を行った。その結果,男女ともに回避性が登校回避感情3得点に影響を及ぼしていた。
学級機能の抑制効果の検討 愛着スタイルから学級機能を介して登校回避感情に影響するという初期モデルを作成し,共分散構造分析を行った(Figure. 1)。その結果,男女ともに,回避性から登校回避感情3得点への直接効果は低減し,学級機能が回避性の登校回避感情への影響を抑制していることが明らかにされた。