3:30 PM - 5:30 PM
[PC51] 中学校内で起きるネットいじめの予測
Keywords:ネットいじめ, タブレット端末, 学校
問題と目的
児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(文部科学省, 2017)では,平成27年度における「パソコンや携帯電話等で,誹謗中傷や嫌なことをされる。」いじめが小学校で2,075件,中学校で4,644件認知されたことが報告されている。児童,生徒は原則として学校へ携帯電話等を持ってきてはならないとされているため(文部科学省, 2009),これらのいじめは学校以外のところで起きていると考えられる。
しかし,タブレット端末が児童・生徒に配付され,授業で活用されるようになってきており(e.g., 中岡・豊田, 2014; 大後戸・久保・坂田, 2015; 山本・中村・森川, 2015),今後タブレット端末を使用したネットいじめが起きないとも限らない。タブレット端末が1人1台配付または貸与された時に,ネットいじめがどのように起きそうであるかを想定しておくことは,いじめを未然に防ぐことに有効であると考えられる。
以上より,本研究では,小・中学校内で起きることが想定されるネットいじめの(1) 起きる場面(シーン),(2) 態様について,幅広く想定しておくことが目的である。
方 法
調査対象者 教員養成系大学に在籍する3,4年生246名(男性113名,女性133名)であった。
質問紙 中学校を想定して回答してもらった。タブレット型コンピュータを生徒に配付・貸与して使用させた場合,どのような場面(シーン)で,どのような態様のネットいじめが起きることが考えられるかについて,(1)授業中,(2)授業以外の時間のそれぞれについて自由記述で回答してもらった。ただし,学級内のメンバーとやりとり可能なローカルなネットワーク環境が整っていると仮定した。インストールされているソフトウェアについては,想像のうえで,回答してもらった。
結 果
授業中
いじめの場面(シーン) 自由記述で回答されたものを分類し,各分類の回答度数を算出したところTable1の結果が得られた。
ネットいじめの態様 いじめの場面同様に,自由記述で回答されたものを分類し,各分類の回答度数を算出した(Table2)。
授業以外の時間
いじめの場面(シーン) 自由記述で回答されたものを分類し,各分類の回答度数を算出した(Table3)。
ネットいじめの態様 自由記述で回答されたものを分類し,各分類の回答度数を算出した(Table4)。
考 察
大学生の回答からは,生徒が自由にタブレット端末を使用できる場面(生徒主体の活動や休み時間)において,ネットいじめが起きる可能性が示唆された。教師は使用のルールを決めておくこととともに,端末の利用制限も考えておく必要があるだろう。また,積極的に情報モラル教育を行っていくことも求められる。
■JSPS科研費16K17311を受けたものである。
児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(文部科学省, 2017)では,平成27年度における「パソコンや携帯電話等で,誹謗中傷や嫌なことをされる。」いじめが小学校で2,075件,中学校で4,644件認知されたことが報告されている。児童,生徒は原則として学校へ携帯電話等を持ってきてはならないとされているため(文部科学省, 2009),これらのいじめは学校以外のところで起きていると考えられる。
しかし,タブレット端末が児童・生徒に配付され,授業で活用されるようになってきており(e.g., 中岡・豊田, 2014; 大後戸・久保・坂田, 2015; 山本・中村・森川, 2015),今後タブレット端末を使用したネットいじめが起きないとも限らない。タブレット端末が1人1台配付または貸与された時に,ネットいじめがどのように起きそうであるかを想定しておくことは,いじめを未然に防ぐことに有効であると考えられる。
以上より,本研究では,小・中学校内で起きることが想定されるネットいじめの(1) 起きる場面(シーン),(2) 態様について,幅広く想定しておくことが目的である。
方 法
調査対象者 教員養成系大学に在籍する3,4年生246名(男性113名,女性133名)であった。
質問紙 中学校を想定して回答してもらった。タブレット型コンピュータを生徒に配付・貸与して使用させた場合,どのような場面(シーン)で,どのような態様のネットいじめが起きることが考えられるかについて,(1)授業中,(2)授業以外の時間のそれぞれについて自由記述で回答してもらった。ただし,学級内のメンバーとやりとり可能なローカルなネットワーク環境が整っていると仮定した。インストールされているソフトウェアについては,想像のうえで,回答してもらった。
結 果
授業中
いじめの場面(シーン) 自由記述で回答されたものを分類し,各分類の回答度数を算出したところTable1の結果が得られた。
ネットいじめの態様 いじめの場面同様に,自由記述で回答されたものを分類し,各分類の回答度数を算出した(Table2)。
授業以外の時間
いじめの場面(シーン) 自由記述で回答されたものを分類し,各分類の回答度数を算出した(Table3)。
ネットいじめの態様 自由記述で回答されたものを分類し,各分類の回答度数を算出した(Table4)。
考 察
大学生の回答からは,生徒が自由にタブレット端末を使用できる場面(生徒主体の活動や休み時間)において,ネットいじめが起きる可能性が示唆された。教師は使用のルールを決めておくこととともに,端末の利用制限も考えておく必要があるだろう。また,積極的に情報モラル教育を行っていくことも求められる。
■JSPS科研費16K17311を受けたものである。