The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表 PE(01-80)

ポスター発表 PE(01-80)

Sun. Oct 8, 2017 1:30 PM - 3:30 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

1:30 PM - 3:30 PM

[PE04] 4歳児の保育に関する一考察

担任の観察から

鈴木純子 (仙台青葉学院短期大学)

Keywords:変化, 4歳児

目   的
 平成27年度には「子ども子育て支援新制度」がスタートした。就学前の教育や保育に対しての要望が多様化する中で,子どもと過ごす保育者の役割りがますます大きくなっている。
 幼稚園においては,4歳児は3歳児や5歳児の中間的な特定の傾向を示すわけではなく,移行期の不安的な時期であり,保育が難しいと思われる。
 本論は,幼稚園における4歳児の変化と保育の関係について幾らかでも明らかにしようとしたものである。

方   法
 幼稚園生活の中での「遊び」や「クラス活動」において4歳児の子どもの様子を捉えるのに主要となる項目について,主任教諭,クラス担任と協議した。日常の業務を遂行しながら観察・評価が可能である8つの項目を選択し評価項目とした。それぞれの項目について評価基準となる6項目についても同様に協議し評価基準を定めた。
 被験者 私立M幼稚園 4歳児B組 39名
 期 日 2015年4月~12月
選択した項目は以下の8つである。
  1 挨拶
  2 友への態度
  3 担任への態度
  4 親への態度
  5 遊び(1)参加の仕方
  6 遊び(2)遊びの内容
  7 生活習慣
  8 課業(クラス活動)に対する態度
 上記8つの項目についてクラス担任(保育経験7年)の日常的観察によって5段階で評価するように依頼し,その結果をもとに考察した。
 倫理的配慮として,事前に園長,主任教諭,クラス担任へ研究趣旨について説明し,全員から協力の同意を得た。保護者には,園長から研究について話をした。データは研究目的のみ使用すること,調査結果は統計的に処理されるため個人が特定されないことを説明し承諾を得た。プライバシー保護のため,幼稚園名,クラス名はアルファベットで表した。

結果と考察
 4月と12月の平均値から8項目すべてにおいて数値が上がっている。特に大きく向上しているのは,「友への態度」の項目である。続いて,「遊び(2)遊びの内容」「課業」となっている。
 幼稚園が同年代の子どもが集団生活を営む場であり,そこから多くの経験を通して様々なことを学んでいくことを考えると,「友への態度」の項目が向上したことは大変喜ばしいことであると捉えることができるのではないか。
 「遊びの内容」つまり遊びが構造的になってきている。ルールを理解して遊んでいる。途中で意味なく抜ける子どもがいない,ということである。
クラス担任はその環境を整える大きな役割を果たしていると考えることができるのではないか。

付   記
本研究は,平成26年度仙台青葉学院短期大学研究奨励費「幼児の表現と人間関係」の一部に基づいている。
快く協力くださったM幼稚園の皆様に感謝いたします。