The 59th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表 PE(01-80)

ポスター発表 PE(01-80)

Sun. Oct 8, 2017 1:30 PM - 3:30 PM 白鳥ホールB (4号館1階)

1:30 PM - 3:30 PM

[PE67] 不登校を激減させた方法6 

タッチ登校によるクラス完全復帰率98%

工藤弘 (安曇野市立三郷小学校)

Keywords:不登校, 自己効力感

 工藤・小林(2010)から工藤(2014,2015,2016)で,不登校の激減の方法が実証された(fig.1)。
目的と仮説
 不登校児童生徒数が減るだけでなく,この方法での不登校を脱した多くの児童が,クラスに戻って普通に登校し,一日過ごしているのではないかと考えた。
 また,例年のポスター発表では,支援会議における一部の効果を検討し発表してきたため,この発表で全体の方法も簡単に紹介する。
方   法
小学校5年間(H28,12月現在)で218支援会議中,106人対象,6人不登校(うち3人が要求過多)。この方法を行った103人について,クラスへの完全復帰をはたした人数はどのくらいか?
結   果
 この方法を行った103人のうち101人が,1年以内にクラス完全復帰(98%)(p<.01)を果たした。
考   察
 不登校を激減させた方法実施のポイントは,以下のような内容になる。
 「不登校を激減させた方法」の紹介
1学校内の体制づくり
 不登校コーディネーター(生徒指導主任)を中心に,先生方が共通基盤で行動する「職員行動ルール」と次の4つの体制づくりが最低条件となる。①相談室・SC体制②タッチ登校を利用したスモールステップ③ルールのある学級学校集団④複数支援体制と激減法によるコーディネート(工藤,2014)
2「たまったポイントカードの利用」
 不登校状態の子どもに無理のない支援になる理由として,このカードを利用し,「できる」という自信が先行していることがわかった。例「何時間学校にいられるか?」など(工藤,2016)。
3「タッチ登校」を利用したスモールステップ
 登校しぶりの子どもが,支援会議で「このくらい(の時間)は(登校)できる」という登校のハードルよりもさらに確実な低いハードルで,登校の内容を約束し,保護者とともに出来た事などを喜びながら,ともに成長を喜んでいく方法を戦略的約束タッチ登校という(工藤,2016)。
参考文献
工藤弘 2016. 不登校を激減させた方法(5)~初期対応の効果の検証と「たまったポイントカード」の利用,第58回日本教育心理学会総会論文集,p383
工藤弘 2015. 不登校を激減させた方法(4)~自己効力感教育法を利用したカウンセリングとコーディネートの実証.第57回日本教育心理学会論文集56, p121
工藤弘 2014. 不登校を激減させた方法~中学校での激減と,小学校での激減の方法の共通性から.第56回日本教育心理学会論文集55,p854  
工藤弘・小林武 2010. 不登校を激減させた方法~尺度の作成と小学校と中学校の連携による中一ギャップの予防(その1).第52回日本教育心理学会論文集,p532
謝   辞
本研究に協力していただいた皆様に感謝申し上げます。