10:00 〜 12:00
[PG28] 「将来働く目的や理由」の項目収集と分類
仕事価値観尺度作成に向けて
キーワード:仕事価値観, キャリア教育, KJ法
問題と目的
「何のために働くのか」という価値観は,「どのように生きていくのか」といった人生に対する価値観と不可分である。このような仕事に対する価値観は,キャリア教育では「勤労観」や「職業観」として,形成することが1つの目的となっている(文科省中教審,2011)。一方,本邦においては中高生の「何のために働くのか」という価値観を正確に測定する尺度は開発されていない。
そこで本研究では,仕事価値観尺度を作成する前段階として,「将来働く目的や理由」についての項目収集と分類を目的とした。
方 法
手続き 関東圏の公立中学校に通う中学1,2年生99名(男性53名,女性46名,平均13.64,SD=0.50),公立高等学校に通う高校1,2年生72名(男性29名,女性41名,平均年齢16.37歳,SD=0.59),国立大学に通い,教職必修科目を履修する大学生51名(男性30名,女性21名,平均年齢21歳,SD=0.60)を対象に自由記述式の質問紙調査を行った。
質問紙 (1)基本属性(性別,年齢,学年),(2)「将来働く目的や理由」に関する自由記述を含んだ質問紙を使用した。
結 果
記述された合計625個の「将来働く目的や理由」を,心理学を専攻する大学院生4名でKJ法を援用し学校段階別に分類を行った。
記述された「将来働く目的や理由」は中学生237個(平均個数2.39個,SD=1.21,range=1~7),高校生210個(平均個数2.92個,SD=1.55,range=1~7),大学生178個(平均個数3.49個,SD=1.57,range=1~9)であった。
中学生では26の小カテゴリに分類され,さらに7つの中カテゴリに分類された(Table 1)。高校生では24の小カテゴリに分類され,さらに9つの中カテゴリに分類された(Table 2)。大学生では,26の小カテゴリに分類され,さらに10の中カテゴリに分類された(Table 3)。
考 察
いずれの学校段階においても,「経済的向上」の記述数が最も多かった。また学校段階が進むにつれ中カテゴリ数が増加することから,働く目的や理由が多様になっていくと考えられる。さらに中学生では見られなかった,「他者評価」,「自立意識」,「社会的義務」などのカテゴリが高校生や大学生では生成された。
「何のために働くのか」という価値観は,「どのように生きていくのか」といった人生に対する価値観と不可分である。このような仕事に対する価値観は,キャリア教育では「勤労観」や「職業観」として,形成することが1つの目的となっている(文科省中教審,2011)。一方,本邦においては中高生の「何のために働くのか」という価値観を正確に測定する尺度は開発されていない。
そこで本研究では,仕事価値観尺度を作成する前段階として,「将来働く目的や理由」についての項目収集と分類を目的とした。
方 法
手続き 関東圏の公立中学校に通う中学1,2年生99名(男性53名,女性46名,平均13.64,SD=0.50),公立高等学校に通う高校1,2年生72名(男性29名,女性41名,平均年齢16.37歳,SD=0.59),国立大学に通い,教職必修科目を履修する大学生51名(男性30名,女性21名,平均年齢21歳,SD=0.60)を対象に自由記述式の質問紙調査を行った。
質問紙 (1)基本属性(性別,年齢,学年),(2)「将来働く目的や理由」に関する自由記述を含んだ質問紙を使用した。
結 果
記述された合計625個の「将来働く目的や理由」を,心理学を専攻する大学院生4名でKJ法を援用し学校段階別に分類を行った。
記述された「将来働く目的や理由」は中学生237個(平均個数2.39個,SD=1.21,range=1~7),高校生210個(平均個数2.92個,SD=1.55,range=1~7),大学生178個(平均個数3.49個,SD=1.57,range=1~9)であった。
中学生では26の小カテゴリに分類され,さらに7つの中カテゴリに分類された(Table 1)。高校生では24の小カテゴリに分類され,さらに9つの中カテゴリに分類された(Table 2)。大学生では,26の小カテゴリに分類され,さらに10の中カテゴリに分類された(Table 3)。
考 察
いずれの学校段階においても,「経済的向上」の記述数が最も多かった。また学校段階が進むにつれ中カテゴリ数が増加することから,働く目的や理由が多様になっていくと考えられる。さらに中学生では見られなかった,「他者評価」,「自立意識」,「社会的義務」などのカテゴリが高校生や大学生では生成された。