10:00 AM - 12:00 PM
[PG37] 課題解決に必要な事項を習得させるタイミングの異なる授業展開が生徒の概念形成に及ぼす効果について
中学校理科 コイルの学習を通して
Keywords:学習指導, 中学校理科, 授業構成
研究の目的
中学校理科において科学的な法則や原理をあらかじめ生徒に習得させ,その後課題解決をさせる授業展開の場合,生徒はあたかも自分が論理的に内容を理解したかのように記憶し,その場面では課題を解決する事ができるが,場面が変わると,獲得した科学的な知識・概念を新しい場面に適応させて考えることが困難であると感じることが多い。
そこで,科学的な法則をあらかじめ獲得させてから,対象とする現象を分析し説明する授業展開(従来型)以下A型という,②初めに現象を見せて,課題設定をさせ,解決をする過程で必要になってから法則や原理を習得させる授業展開以下B型という2つの特徴的な展開で差異を調べることにした。
研究の方法
(1) 具体的な教育操作
A型の授業展開
(1時間目)
・事前調査,視覚刺激による診断的評価
・永久磁石の復習
(2時間目)
・電磁石の復習
・直線電流のまわりの磁界について
(3時間目)
・コイルの中の磁界について
B型の授業展開
(1時間目)
・事前調査,視覚刺激による診断的評価
・永久磁石の復習
(2時間目)
・電磁石の復習
・鉄心の役割とコイルのみの磁界
(3時間目)
・コイルの中の磁界について
・直線電流の磁界を調べる
・コイルの中の磁界をもう一度考える
(2)調査及び評価
本研究をする2クラスについて等質性を調べるため関係する既習事項について調査問題(Ⅰ)を実施した。
授業の前後で電磁石について視覚刺激による調査(Ⅱ)を実施した。
授業後,知識理解の定着を測定するアチーブメント調査問題(Ⅲ)を実施した。この調査については,2か月後に再調査を行い,時間経過による定着率を調査する予定である。
(3)研究対象及び期間
公立中学校 3年生 2クラス 66名
4月28日~5月11日
結果と考察
調査問題(Ⅰ)より,対象の2クラスは等質であると推測できた。
学習内容のコイルに関しての視覚刺激による調査(Ⅱ)では,A型の授業展開のクラスでは電磁石のまわりの磁界についての記述(3名→7名)と,コイルの中の磁界の様子(0名→1名),鉄心のはたらきについての記述(0名→4名)が若干増えていた。B型の授業展開をしたクラスでは電流の向き以外の全ての項目で記述の増加が見られた。特に電磁石のまわりの磁界(0名→16名)とコイルの中の磁界について(0名→14名)の記述が大幅に増えていた。鉄心はA型と同じ傾向であった。調査問題(Ⅲ)については,コイルの磁界についてのみA型よりB型の授業展開の方が2倍の正解率であった。
以上の結果から,自然の事物現象を先に見せて,課題解決のための方法を考え,必要な情報を見出し,課題解決に至る学習形態は,生徒の課題に対する分析力と表現力を高め,多くの情報の中から,必要な情報を選択する資質を養うことができることが示唆された。
中学校理科において科学的な法則や原理をあらかじめ生徒に習得させ,その後課題解決をさせる授業展開の場合,生徒はあたかも自分が論理的に内容を理解したかのように記憶し,その場面では課題を解決する事ができるが,場面が変わると,獲得した科学的な知識・概念を新しい場面に適応させて考えることが困難であると感じることが多い。
そこで,科学的な法則をあらかじめ獲得させてから,対象とする現象を分析し説明する授業展開(従来型)以下A型という,②初めに現象を見せて,課題設定をさせ,解決をする過程で必要になってから法則や原理を習得させる授業展開以下B型という2つの特徴的な展開で差異を調べることにした。
研究の方法
(1) 具体的な教育操作
A型の授業展開
(1時間目)
・事前調査,視覚刺激による診断的評価
・永久磁石の復習
(2時間目)
・電磁石の復習
・直線電流のまわりの磁界について
(3時間目)
・コイルの中の磁界について
B型の授業展開
(1時間目)
・事前調査,視覚刺激による診断的評価
・永久磁石の復習
(2時間目)
・電磁石の復習
・鉄心の役割とコイルのみの磁界
(3時間目)
・コイルの中の磁界について
・直線電流の磁界を調べる
・コイルの中の磁界をもう一度考える
(2)調査及び評価
本研究をする2クラスについて等質性を調べるため関係する既習事項について調査問題(Ⅰ)を実施した。
授業の前後で電磁石について視覚刺激による調査(Ⅱ)を実施した。
授業後,知識理解の定着を測定するアチーブメント調査問題(Ⅲ)を実施した。この調査については,2か月後に再調査を行い,時間経過による定着率を調査する予定である。
(3)研究対象及び期間
公立中学校 3年生 2クラス 66名
4月28日~5月11日
結果と考察
調査問題(Ⅰ)より,対象の2クラスは等質であると推測できた。
学習内容のコイルに関しての視覚刺激による調査(Ⅱ)では,A型の授業展開のクラスでは電磁石のまわりの磁界についての記述(3名→7名)と,コイルの中の磁界の様子(0名→1名),鉄心のはたらきについての記述(0名→4名)が若干増えていた。B型の授業展開をしたクラスでは電流の向き以外の全ての項目で記述の増加が見られた。特に電磁石のまわりの磁界(0名→16名)とコイルの中の磁界について(0名→14名)の記述が大幅に増えていた。鉄心はA型と同じ傾向であった。調査問題(Ⅲ)については,コイルの磁界についてのみA型よりB型の授業展開の方が2倍の正解率であった。
以上の結果から,自然の事物現象を先に見せて,課題解決のための方法を考え,必要な情報を見出し,課題解決に至る学習形態は,生徒の課題に対する分析力と表現力を高め,多くの情報の中から,必要な情報を選択する資質を養うことができることが示唆された。