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[PG66] 視機能のアセスメントを視覚障害領域以外で活用するための有効な工夫について
視覚障害教育における視機能のアセスメントの結果を広く、特別支援教育の領域に活用するために
Keywords:特別支援教育, 視覚障害教育, 詳細なアセスメント
はじめに
視覚障害教育について,児童生徒に対して加えられる多様な支援・介入は,視覚・視機能のアセスメントの把握も重要な実態把握のもとに行われる。視覚の機能に対する支援は,知的障害や発達障害など他の領域の教育に関する支援・介入においても有効であり,作業学習など視覚の関与が多い活動においては,積極的に情報を活用して,個々の生徒の困難な部分の支援に活用することで,より実態に即応した支援が可能となる。個別の児童生徒の自立に向けた真の支援は,必要な基礎的情報の上に成り立つものであり,個々の事例に応じた多様な状況に配慮した指導を広く行っていくためには,有効な支援の内容について明確にしていくことが重要である。
視覚障害を持つ児童生徒への支援や取り組みは,視覚障害に関する支援学校・支援学級での実践の様子の検討を加えるとともに,それがどのように他領域の障害の教育で生かされていくべきか見ていく必要性がある。社会参加に向けた価値観は,就労等の側面を中心とした実践に向けたシステムに個を組み込んだり,経済的な自立に立脚し方向性との調整に向けて,就労に向けた,個々の生徒のパフォーマンスの向上に評価の観点が集中したりすることが多いが,「個の能力への向上の重視」に目を向けて,障害の軽重に関係なく実践を進めていくことに問題を感じる。社会的自立に関しては,プラニング,同時処理,継時処理といった側面について検討は重要で,「見ること」の機能が認知面等で与える個々の事例について,視覚障害教育においてなされるような視機能,見え方と認識,認知,判断の機能面で個々のアセスメントを活用していく必要がある。視覚優位であるが言語優位であるかを判断することは個々の児童生徒の状況を判断するとともに,「見え方」の個々の差や,必要な支援の内容については,視覚・視機能の点で支援を必要とする生徒のニーズを考慮することが大切である。
考察・検証
知的障害領域の実践に等から,卒業後の就労に重点を置いた支援の方向性は一定の知的障害教育では顕著であるが,経済的な自立をも含んだ個々の生徒の社会的自立を経験値の比率が増えることで達成されるという根拠は経験的知見でしかない。さらに,教育課程の中での突出した作業学習,一部での長期にわたる校外実習の実施のみで,個々の生徒の爾後の社会的な発達を見通せるものではない。
知的障害教育の場においては,弱視,斜視など多様な視覚・視機能に支援を必要とする生徒の実態がある。特に字を書かせたり,計算をさせたりする場合,丁寧さを求めたり,まったく「見え方」を意識していない指導が見られる。
個の「習熟」が,どのような個の能力を高めているかについては,個別のケースでの必要な支援・介入について,考慮していく必要がある。また,発達障害等も併せ持つ児童生徒に対して,個々の作業に取り組む際,個々の生徒の状況について,活動のパフォーマンスの様子や能力の向上のための手立てに視覚的な援助がどのように役立つか確認していく必要がある。
視覚障害教育では,児童生徒の視覚的な情報の欠如,欠損の状況についてその実情をしっかり把握し,障害を補完するための「触れ」「感じ」「聞く」等の感覚のデバイスを活用する工夫がなされている。個々の児童生徒がどのように「見て」いるのか,どのように「見え」にくいのかを知ることで,視覚的援助が多用される発達障害等の児童生徒への指導は個の学びと能力の向上について有効な手段となるはずである。また,個々の評価においても生徒の見え方が多様にさまざまな活動のパフォーマンスに大きな影響を与えていることを実際の支援にフィードバックしていく必要も高まっていくものと考えられる。
おわりに
「見え方」を多様な活動(作業学習等への基礎的な把握力と捉える必要性がある。個々の生徒の「見え方」を意識せず,屈折異常や弱視,斜視などの「見ること」への支援について多様な特別支援教育の場面で,個の実情に応じた手立てのための詳細なアセスメントとアウトプットの状況を関連して評価することが必要である。視覚の機能は視機能の検査や視認知の面での知能検査等の把握にある。有効なアセスメントの結果を有効に利用することが必要であろう。
参考文献
「視覚障害等に関連する認知機能の障害に応じた行動支援のあり方」, 第56回日本教育心理学会発表論文集,p516
視覚障害教育について,児童生徒に対して加えられる多様な支援・介入は,視覚・視機能のアセスメントの把握も重要な実態把握のもとに行われる。視覚の機能に対する支援は,知的障害や発達障害など他の領域の教育に関する支援・介入においても有効であり,作業学習など視覚の関与が多い活動においては,積極的に情報を活用して,個々の生徒の困難な部分の支援に活用することで,より実態に即応した支援が可能となる。個別の児童生徒の自立に向けた真の支援は,必要な基礎的情報の上に成り立つものであり,個々の事例に応じた多様な状況に配慮した指導を広く行っていくためには,有効な支援の内容について明確にしていくことが重要である。
視覚障害を持つ児童生徒への支援や取り組みは,視覚障害に関する支援学校・支援学級での実践の様子の検討を加えるとともに,それがどのように他領域の障害の教育で生かされていくべきか見ていく必要性がある。社会参加に向けた価値観は,就労等の側面を中心とした実践に向けたシステムに個を組み込んだり,経済的な自立に立脚し方向性との調整に向けて,就労に向けた,個々の生徒のパフォーマンスの向上に評価の観点が集中したりすることが多いが,「個の能力への向上の重視」に目を向けて,障害の軽重に関係なく実践を進めていくことに問題を感じる。社会的自立に関しては,プラニング,同時処理,継時処理といった側面について検討は重要で,「見ること」の機能が認知面等で与える個々の事例について,視覚障害教育においてなされるような視機能,見え方と認識,認知,判断の機能面で個々のアセスメントを活用していく必要がある。視覚優位であるが言語優位であるかを判断することは個々の児童生徒の状況を判断するとともに,「見え方」の個々の差や,必要な支援の内容については,視覚・視機能の点で支援を必要とする生徒のニーズを考慮することが大切である。
考察・検証
知的障害領域の実践に等から,卒業後の就労に重点を置いた支援の方向性は一定の知的障害教育では顕著であるが,経済的な自立をも含んだ個々の生徒の社会的自立を経験値の比率が増えることで達成されるという根拠は経験的知見でしかない。さらに,教育課程の中での突出した作業学習,一部での長期にわたる校外実習の実施のみで,個々の生徒の爾後の社会的な発達を見通せるものではない。
知的障害教育の場においては,弱視,斜視など多様な視覚・視機能に支援を必要とする生徒の実態がある。特に字を書かせたり,計算をさせたりする場合,丁寧さを求めたり,まったく「見え方」を意識していない指導が見られる。
個の「習熟」が,どのような個の能力を高めているかについては,個別のケースでの必要な支援・介入について,考慮していく必要がある。また,発達障害等も併せ持つ児童生徒に対して,個々の作業に取り組む際,個々の生徒の状況について,活動のパフォーマンスの様子や能力の向上のための手立てに視覚的な援助がどのように役立つか確認していく必要がある。
視覚障害教育では,児童生徒の視覚的な情報の欠如,欠損の状況についてその実情をしっかり把握し,障害を補完するための「触れ」「感じ」「聞く」等の感覚のデバイスを活用する工夫がなされている。個々の児童生徒がどのように「見て」いるのか,どのように「見え」にくいのかを知ることで,視覚的援助が多用される発達障害等の児童生徒への指導は個の学びと能力の向上について有効な手段となるはずである。また,個々の評価においても生徒の見え方が多様にさまざまな活動のパフォーマンスに大きな影響を与えていることを実際の支援にフィードバックしていく必要も高まっていくものと考えられる。
おわりに
「見え方」を多様な活動(作業学習等への基礎的な把握力と捉える必要性がある。個々の生徒の「見え方」を意識せず,屈折異常や弱視,斜視などの「見ること」への支援について多様な特別支援教育の場面で,個の実情に応じた手立てのための詳細なアセスメントとアウトプットの状況を関連して評価することが必要である。視覚の機能は視機能の検査や視認知の面での知能検査等の把握にある。有効なアセスメントの結果を有効に利用することが必要であろう。
参考文献
「視覚障害等に関連する認知機能の障害に応じた行動支援のあり方」, 第56回日本教育心理学会発表論文集,p516