The 60th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表

[PA] ポスター発表 PA(01-78)

Sat. Sep 15, 2018 10:00 AM - 12:00 PM D203 (独立館 2階)

在席責任時間 奇数番号10:00~11:00 偶数番号11:00~12:00

[PA23] 宿題中の失敗活用が学業成績に及ぼす影響

取り組み中のメタ認知的方略の利用の効果

植阪友理1, 太田絵梨子2, 西村華奈#3, Natalia Suárez Fernández#4 (1.東京大学, 2.東京大学大学院・日本学術振興会特別研究員, 3.千葉工業高校, 4.University of Oviedo)

Keywords:宿題, メタ認知的方略, 学業成績

問題と目的
 宿題は,主体的に学ぶ学習者を育てる良い機会となる。例えば,問題を解いた後,丸つけを行い,間違えた問題については,なぜ間違えたのかを分析することでメタ認知的方略の活用にもなる。こうした学習方略を自分のペースで活用できる場が宿題である。一方,現在の宿題研究を概観してみると,「どのくらい時間をかけたのか」や「どのくらい熱心に取り組んだのか」が中心に検討されてきており(e.g., Nunez et al., 2013; Trautwein et al., 2009),学習方略は変数としてあまり着目されていない。学校における学び方の調査を実施した植阪・瀬尾・市川(2012)は,「学び方の手引き」などが出されるようになってきているものの,学年×10分などのように,量的な側面に注目があたりがちであることを指摘している。量的な側面ではなく,学習方略といった「宿題への取り組み方の質」を問題にし,その改善を目指す指導が行われることが期待される。そうした実践の前提とするために,宿題においてどの程度,学習方略が活用されており,それがどのように成績に結びついているのかを明らかにする。特に,学習方略の中でも,自分の失敗の原因を分析し,次に活かすという,メタ認知的方略の一種と考えられる学習方略に注目し,学業成績との関連を検討する。

方  法
参加者 公立の工業高校の生徒71名
手続きと用いる課題 大きく分けて,2期に分けてデータを取得した。第1期は期末テストまでの期間である。そこに至るまでの宿題への取り組みを,定期的に提出しているワークによって評価した。ワークは,Table 1に示す評定スキーマに従い,2名で評定した(κ係数=.80)。また,授業を通じて深い理解を獲得できている程度を評価するために,概念理解テストを実施した。ここでは「