The 60th Annual Meeting of the Japanese Association of Educational Psychology

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ポスター発表

[PB] ポスター発表 PB(01-76)

Sat. Sep 15, 2018 1:00 PM - 3:00 PM D203 (独立館 2階)

在席責任時間 奇数番号13:00~14:00 偶数番号14:00~15:00

[PB10] 教員養成系学部生における教職学習動機づけの発達的変化

吉崎聡子1, 平岡恭一2 (1.弘前大学, 2.弘前大学)

Keywords:教員養成, 教職, 自己決定理論

問題と目的
 筆者らは,教員養成学部カリキュラムの効果検証の一環として,学生の教職観や教員としての資質能力向上感と重要度などの変容について,縦断データをもとに検証した(福島,吉崎他,2015)。学生は4年間を通して教員としての資質能力の重要性や高度専門職としての教職観を獲得していた。しかし教員養成カリキュラムで学ぶ動機づけは未検討であることから,本研究は学習動機づけの変容について検討を行う。

方  法
対象者及び手続き 東北地方国立大学教員養成系学部X年入学学生。調査は1年次,2年次,3年次各10から11月に実施。全てに回答した92名を分析対象とした。調査は無記名自記式にて行った。
質問紙 教職学習動機づけ尺度(以下動機づけ尺度)。安藤(2005)の大学での学習動機づけ尺度14項目+「教員免許を取得しなければならないから」の計15項目,5件法。

結果と考察
尺度構成 安藤(2005)では4因子構造であったが,改めて因子構造を確認したところ,3因子解が妥当と判断した。因子名は自己決定理論に基づき命名した。時点ごとのα係数は,内発的動機づけ1年10月で.64,2年10月で.81,3年11月で.84であった。外的調整は1年10月.74,2年10月.87,3年11月.71であった。同一化取り入れ的調整は1年10月.82,2年10月.85,3年11月.83であった。内発的動機づけの1年10月の値が低いが,その他は全て.7以上であることから妥当と判断した。この後の分析には,各因子を構成する項目の加算平均を下位尺度得点として使用する。
分析 3時点での時点ごとの動機づけ下位尺度得点の平均値とSDをTable 1に示す。平均値より外的調整が年々低下していた。次に個人内変化と個人間変化の両方を捉えるために成長曲線モデルを採用した。各下位尺度に対して,切片と傾きを当てはめた3時点間の成長曲線モデルを用いて分析した。パラメータの推定は最尤法を用いた。各モデルの適合度及び傾きと切片の推定値をTable 2,3に示す。内発的動機づけのRMSEAが.11であることから,若干当てはまりの悪いモデルといえた。他の2つのモデルはいずれも十分な適合度が示された。いずれも切片の平均と分散が有意であり個人差の存在が推測された。傾きの平均では,外的調整にのみ有意な値が見られた。
 Table 3の切片・傾きより個人予測曲線を作成した(Figure 1,2,3)。これらより,自律的な動機づけは1年から低下せず,他律的な動機づけが低下しており,学生は学年が進むにつれてより自律的に教職のための学習に取り組むようになると言えよう。

付  記
本研究はJSPS科研費16K04449の助成を受けた。