[PE17] 学習における動機づけの増減に関する素人理論VIII
動機づけ増減認識のタイプ分け
Keywords:素人理論(amateur theory), 認識(knowledge), 動機づけ(motivation)
前件(加藤他, 2018)では,動機づけの増減に関する認識の変数と既存の動機づけ理論の変数との相関関係を検討した。本件では,学習者がそれぞれどのような認識をもっているか,そのタイプを明確にすることを目的とした。
方 法
参加者と分析手続き
前件(加藤他, 2018)と同様の大学生98名であった。SPSS ver. 22の階層クラスター分析(Ward法)によって解釈可能なタイプを抽出した。その後,各タイプの特徴を明確にするために,観念の得点ごとに分散分析を行った。
結 果
増加認識(i.e., 有能実感,いい調子,制約のなさ,奮起)と減少認識(i.e., 外的合理化,否定的評価,切迫感,余裕過多)の得点から,解釈可能な4タイプを抽出した。Figure 1に各タイプでの変数ごとの得点を示す。
一つ目のタイプは増加認識では有能実感といい調子が,減少認識では外的合理化と否定的評価が高かった。そこで,ヒラヒラ型とした(n = 49)。二つ目のタイプは一つ目のタイプと類似しているが,減少認識の否定的評価が低い傾向にあった。そこで,ズンズン型(n = 20)とした。三つ目のタイプはいずれの認識も得点が低かった。動機づけが変化しないというタイプとして,ギチギチ型(n = 21)とした。四つ目のタイプは増加認識において有能実感を除いてその得点が低く,減少認識では切迫感を除いて高かった。そこで,ビクビク型(n = 8)とした。
考 察
本件ではクラスター分析によって4タイプが示された。ここでは各タイプにおける認識ごとの得点分布に注目する。
特徴として,増加認識における有能実感はいずれの群においてもその得点が高かった。また,制約のなさや減少認識における切迫感はいずれの群においてもその得点は低かったといえる。このことから,制約のなさや切迫感は動機づけを実際には増減させない可能性が高い。一方で,中川他(2015)や加藤他(2015)によって,これらの変数は学習者の認識が反映されたものである。よって,これらの変数は「一般的に変化させるだろうと予想されているが,自分には当てはまらない」と考えられていると予想される。
引用文献
山口 剛他 (2017). 日本教育心理学会第59回総会発表論文集, 553.
方 法
参加者と分析手続き
前件(加藤他, 2018)と同様の大学生98名であった。SPSS ver. 22の階層クラスター分析(Ward法)によって解釈可能なタイプを抽出した。その後,各タイプの特徴を明確にするために,観念の得点ごとに分散分析を行った。
結 果
増加認識(i.e., 有能実感,いい調子,制約のなさ,奮起)と減少認識(i.e., 外的合理化,否定的評価,切迫感,余裕過多)の得点から,解釈可能な4タイプを抽出した。Figure 1に各タイプでの変数ごとの得点を示す。
一つ目のタイプは増加認識では有能実感といい調子が,減少認識では外的合理化と否定的評価が高かった。そこで,ヒラヒラ型とした(n = 49)。二つ目のタイプは一つ目のタイプと類似しているが,減少認識の否定的評価が低い傾向にあった。そこで,ズンズン型(n = 20)とした。三つ目のタイプはいずれの認識も得点が低かった。動機づけが変化しないというタイプとして,ギチギチ型(n = 21)とした。四つ目のタイプは増加認識において有能実感を除いてその得点が低く,減少認識では切迫感を除いて高かった。そこで,ビクビク型(n = 8)とした。
考 察
本件ではクラスター分析によって4タイプが示された。ここでは各タイプにおける認識ごとの得点分布に注目する。
特徴として,増加認識における有能実感はいずれの群においてもその得点が高かった。また,制約のなさや減少認識における切迫感はいずれの群においてもその得点は低かったといえる。このことから,制約のなさや切迫感は動機づけを実際には増減させない可能性が高い。一方で,中川他(2015)や加藤他(2015)によって,これらの変数は学習者の認識が反映されたものである。よって,これらの変数は「一般的に変化させるだろうと予想されているが,自分には当てはまらない」と考えられていると予想される。
引用文献
山口 剛他 (2017). 日本教育心理学会第59回総会発表論文集, 553.