[PF48] 看護学生の死生観を培うための主体的参加型授業の実践
Keywords:看護学生, 死生観
はじめに
看護基礎教育の段階から「死生観」について向き合う時間を持つことが重要である。授業方法が,学生によってどのように受け止められており,学びの目的に繋がっているのかを知り,さらなる改善点が無いかを検討する資料とするために本研究を行った。
研究方法
大阪信愛女学院短期大学倫理委員会の了承を得た後,対象者には事前に文書と口頭にて研究の趣旨を説明し同意を得た。対象は看護学生2年次生。79名に対し,7~8人程度のグループでグループワークを行い「この講義を受けてのあなたの考える死生観」を,A4用紙1枚程度に自由記述してもらったものをデータとした。得られたデータは,フリーソフトKH-coderを用いて分析した。
結 果
1)授業の展開
授業の展開は講義,演習,グループワークで①死生観についての導入,②救うことのできる命は救う(クリティカルケア),③命は助かった障害がある人への援助,④生命を脅かす疾患による問題に直面している人への援助,⑤死者への援助についてである。
2)KH-coderによる分析
総抽出語数は1666語,使用語数665語で,語の出現回数3回以上でクラスター分析を行い,6クラスターが抽出された。
クラスター1は<死><軽減><不安><尊重><看護><授業><癌>で≪私の看護観≫とした。クラスター2は<話><聞く><人><大切><感じる><死ぬ><今><生きる>で≪私の人間観≫とした。クラスター3は<亡くなる><治療><延命><残す><頑張る><見守る>で≪患者の治療≫とした。
クラスター4は<生活><闘病><早い><考える><ケア><緩和>で,≪患者の生活≫とした。クラスター5は<死生><自分><必要><看取る><痛み><死後>で,≪私の死生観≫とした。クラスター6は<最期><迎える><学ぶ><寄り添う><心><援助><家族><患者>で,≪家族とともに寄り添う≫とした。
考 察
クラスター3,4の示す結果から,看護学生が看護の対象者である患者を,「治療」という視点と「生活者」ととらえていることが分かった。
クラスター1,2では,看護学生が考える「看護観」「人間観」が明らかとなった。クラスター5,6では,看護学生が考える「最期の在り方」と「死生観」が明らかとなった。
おわりに
看護学生は,対象者である患者を「治療」と援助するべき「生活者」としてとらえ,特に生活に対し<ケア><緩和>といった援助すべき具体的な方法に向けていることが分かった。
適切な援助を行うことに対しては,診療の補助としての質の高い医療技術への関心を高める必要があると考える。また,「深く考える姿勢を培う」「自己の死生観に向き合う時間とする」については,グループワークや演習など,双方向で意見を述べることにより深める時間を持つことができたのではないかと考える。
看護基礎教育の段階から「死生観」について向き合う時間を持つことが重要である。授業方法が,学生によってどのように受け止められており,学びの目的に繋がっているのかを知り,さらなる改善点が無いかを検討する資料とするために本研究を行った。
研究方法
大阪信愛女学院短期大学倫理委員会の了承を得た後,対象者には事前に文書と口頭にて研究の趣旨を説明し同意を得た。対象は看護学生2年次生。79名に対し,7~8人程度のグループでグループワークを行い「この講義を受けてのあなたの考える死生観」を,A4用紙1枚程度に自由記述してもらったものをデータとした。得られたデータは,フリーソフトKH-coderを用いて分析した。
結 果
1)授業の展開
授業の展開は講義,演習,グループワークで①死生観についての導入,②救うことのできる命は救う(クリティカルケア),③命は助かった障害がある人への援助,④生命を脅かす疾患による問題に直面している人への援助,⑤死者への援助についてである。
2)KH-coderによる分析
総抽出語数は1666語,使用語数665語で,語の出現回数3回以上でクラスター分析を行い,6クラスターが抽出された。
クラスター1は<死><軽減><不安><尊重><看護><授業><癌>で≪私の看護観≫とした。クラスター2は<話><聞く><人><大切><感じる><死ぬ><今><生きる>で≪私の人間観≫とした。クラスター3は<亡くなる><治療><延命><残す><頑張る><見守る>で≪患者の治療≫とした。
クラスター4は<生活><闘病><早い><考える><ケア><緩和>で,≪患者の生活≫とした。クラスター5は<死生><自分><必要><看取る><痛み><死後>で,≪私の死生観≫とした。クラスター6は<最期><迎える><学ぶ><寄り添う><心><援助><家族><患者>で,≪家族とともに寄り添う≫とした。
考 察
クラスター3,4の示す結果から,看護学生が看護の対象者である患者を,「治療」という視点と「生活者」ととらえていることが分かった。
クラスター1,2では,看護学生が考える「看護観」「人間観」が明らかとなった。クラスター5,6では,看護学生が考える「最期の在り方」と「死生観」が明らかとなった。
おわりに
看護学生は,対象者である患者を「治療」と援助するべき「生活者」としてとらえ,特に生活に対し<ケア><緩和>といった援助すべき具体的な方法に向けていることが分かった。
適切な援助を行うことに対しては,診療の補助としての質の高い医療技術への関心を高める必要があると考える。また,「深く考える姿勢を培う」「自己の死生観に向き合う時間とする」については,グループワークや演習など,双方向で意見を述べることにより深める時間を持つことができたのではないかと考える。