[PG42] 児童とロボットとのコミュニケーションにおける脳血流変化
保護者とのコミュニケーションとの比較検討
Keywords:児童, ロボット, 脳血流
問題と目的
厚生労働省(2014)は,1988年に比べ母子家庭が1.5倍増加,父子家庭で1.3倍増加したと報告している。人との関わりは,コミュニケーションが必要であると言える。この先行研究より,子どもの話し相手として,ロボットを介在が,考えられる。
ロボットがかかわることで脳は,どの様な変化があるのかを明らかにする。
目的は保護者とのコミュニケーションとロボットとのコミュニケーションでは,脳血流に違いがあるのかを明らかにするために,右脳・左脳に限定して,脳血流をシングルケースとして比較検討する。
方 法
実験の手続き
本実験は,2017年7月~8月に実施した。本研究は,日立ハイテクノロジー社製の携帯型脳血流装置であるHOT-1000を用いて実験参加者を個別に実験を行った。HOT-1000は,通電状態で実験を行い実験参加者に負担がないように注意する。
実験協力者
小学生13名・小学校1年(1名)・2年(3名)・3年(6名)・4年(2名)・6年(1名)及びその保護者(13名)で実施した。実験に参加した保護者は,母親のみであった。
実験内容と倫理的配慮
倫理的配慮においては,参加児童及びその保護者に対して説明を行い,承諾を得た参加者のみ実験を実施した。聖徳大学の倫理委員会において,承諾済みである。
結果と考察
目的は,左脳と右脳において保護者とのコミュニケーションとロボットとのコミュニケーションでの脳血流の比較検討することであった。
左脳において保護者とのコミュニケーション時とロボットとのコミュニケーションの比較は,13名中6名がロボットとのコミュニケーションがラン検定により1%水準で有意に脳血流が賦活した。13名中7名が保護者とのコミュニケーションがラン検定により1%水準で有意に脳血流が賦活していた(Figure 1)。
左脳において13名中5名がロボットとのコミュニケーションが保護者とのコミュニケーションよりラン検定により1%水準で有意に脳血流が賦活していた。右脳において,13名中8名が保護者とのコミュニケーションよりロボットとのコミュニケーションがラン検定により1%水準で有意に脳血流が賦活した。
左脳と右脳において保護者とのコミュニケーションとロボットとのコミュニケーションの脳血流の比較は,同数であった。
総合考察
本研究は,左脳と右脳において,ロボットとのコミュニケーション及び保護者とのコミュニケーションを行うことで,脳血流に違いがあるかどうかを明らかにすることを目的とし児童に実験を行った。その結果,ロボットとのコミュニケーション及び保護者とのコミュニケーションに脳血流に違いがないことが明らかになった。子どものコミュニケーション相手としてロボットが,活用出来る可能性が高まった。
参考文献
大久保英一・永沼充(2016).音声によるコミュニケーションが可能なロボットを用いたRARの可能性.帝京短期大学紀要(19),105-109.
厚生労働省(2014)は,1988年に比べ母子家庭が1.5倍増加,父子家庭で1.3倍増加したと報告している。人との関わりは,コミュニケーションが必要であると言える。この先行研究より,子どもの話し相手として,ロボットを介在が,考えられる。
ロボットがかかわることで脳は,どの様な変化があるのかを明らかにする。
目的は保護者とのコミュニケーションとロボットとのコミュニケーションでは,脳血流に違いがあるのかを明らかにするために,右脳・左脳に限定して,脳血流をシングルケースとして比較検討する。
方 法
実験の手続き
本実験は,2017年7月~8月に実施した。本研究は,日立ハイテクノロジー社製の携帯型脳血流装置であるHOT-1000を用いて実験参加者を個別に実験を行った。HOT-1000は,通電状態で実験を行い実験参加者に負担がないように注意する。
実験協力者
小学生13名・小学校1年(1名)・2年(3名)・3年(6名)・4年(2名)・6年(1名)及びその保護者(13名)で実施した。実験に参加した保護者は,母親のみであった。
実験内容と倫理的配慮
倫理的配慮においては,参加児童及びその保護者に対して説明を行い,承諾を得た参加者のみ実験を実施した。聖徳大学の倫理委員会において,承諾済みである。
結果と考察
目的は,左脳と右脳において保護者とのコミュニケーションとロボットとのコミュニケーションでの脳血流の比較検討することであった。
左脳において保護者とのコミュニケーション時とロボットとのコミュニケーションの比較は,13名中6名がロボットとのコミュニケーションがラン検定により1%水準で有意に脳血流が賦活した。13名中7名が保護者とのコミュニケーションがラン検定により1%水準で有意に脳血流が賦活していた(Figure 1)。
左脳において13名中5名がロボットとのコミュニケーションが保護者とのコミュニケーションよりラン検定により1%水準で有意に脳血流が賦活していた。右脳において,13名中8名が保護者とのコミュニケーションよりロボットとのコミュニケーションがラン検定により1%水準で有意に脳血流が賦活した。
左脳と右脳において保護者とのコミュニケーションとロボットとのコミュニケーションの脳血流の比較は,同数であった。
総合考察
本研究は,左脳と右脳において,ロボットとのコミュニケーション及び保護者とのコミュニケーションを行うことで,脳血流に違いがあるかどうかを明らかにすることを目的とし児童に実験を行った。その結果,ロボットとのコミュニケーション及び保護者とのコミュニケーションに脳血流に違いがないことが明らかになった。子どものコミュニケーション相手としてロボットが,活用出来る可能性が高まった。
参考文献
大久保英一・永沼充(2016).音声によるコミュニケーションが可能なロボットを用いたRARの可能性.帝京短期大学紀要(19),105-109.