[JF05] アクティブ・ラーニングの脳科学と教育実践への架橋を目指して
人間固有の「学び」の構造と機能を知り,学びと教え,教育の再構築を共にデザインしよう
キーワード:アクティブラーニング、脳認知科学、教育
アクティブ・ラーニング教育改革失敗の危機感と「人間固有の学びの力」復活への期待!
人間は,動物と異なり「行為(意欲と意図をもった行動)」をします。「行為に伴う記憶」も人間固有の記憶であり,1回の経験で成立し,強固であるばかりでなく,時間や空間,状況を変え適応的に想起することができ,その再体験もできる応用が利く記憶です。デューイの教育改革「経験主義教育」に始まり,OECD,そして日本での2020年に始まる教育改革でも,そのターゲットに「行為に伴う学習や記憶」があることは明らかです。
しかし,現在の教育学,心理学での学習理論には,この「行為に伴う学習や記憶」を説明する適切な構成学習(Constructive Learning)理論がありません。構成学習は,既に獲得した知識や技能だけでは「分からない」「できない」状態から,「分かった」「納得した」「できる」状態へ飛躍した時に,アハ!感動や納得感,満足感を伴って成立し,強固で「役立つ記憶」を形成します。この構成学習では,ポジティブ感情や意欲がとりわけ重要ですが,その本質やメカニズムが理解されていません。さらに,この構成学習が社会的協調作業の中で促進される(社会的構成学習)ことは知られていますが,その学習メカニズムは理解されていません。このため,過去の教育改革の失敗では,単に快楽な体験を求めたり,生徒の自由奔放に任せたり,社会的協調という行動パターンを形式的になぞることに終始したり等,学びの改革に直結しない結果に陥りました。今回の教育改革でも,同様な結末を迎える恐れがあると危惧しています。
Alternativeな社会体験型学習の中で人生を変えてしまう程のインパクトを受け,その後の学びを激変させるという事例も多々知られています。このようなEvent型アクティブ・ラーニングは勿論重要で,もっと進歩・発達してほしいと願います。しかし,学校教育での学習の問題は,多くの時間を費やすStandard教科のアクティブ・ラーニング化の成否にかかっていると思います。成功しているAL授業を分析すると,従来型授業の教材を使っていても,先生の一方的Monologueをやめ,生徒に「知りたい」「できるようになりたい」という「意欲」を持たせ,実現可能な明確な「学びの意図目標」を持たせ,与える課題も現在の能力で到達可能な「学びのZone(最近接領域)」にあるように制御し,分からなかったら生徒同士で教え合い、必要があれば質問もできるように学習環境を整え,全てが理解できた状態で授業を終えられようにすることにより,個々の生徒の「学びの行為」を活性化し,アクティブ・ラーニングを引き起こせることが分かります。教師の「教えの行為」が生徒のアクティブ・ラーニングに大きく関わっていることも理解できます。
アクティブ・ラーニング再構築へのチャレンジ
我々はアクティブ・ラーニングを促進する教育の中に,人間本来の学びの能力を開花させ,自立した行為者としてのアクティブ・ラーナーを育てるという教育が本来目指していた「教育ルネッサンス」の可能性を感じます。
なぜならば,意欲と意図という内的エネルギーに駆動される「行為」にアクティブ・ラーニングの芽があることを脳科学が示しているからです。さらに,行為をする者は,言葉通りの「行為者」であるため,教育を「学びの行為者」と「教えの行為者」,「学びの環境」の相互作用のダイナミックスの中で捉えられます。勿論,それを可能にするのは意図コミュニケーションであり,教師と個々の生徒は,常に行為者として互いに学び合う関係です。
人間は,行為を通して学びを積み重ね,十数年もかけて自己を確立し,社会に巣立っていきます。アクティブ・ラーニングが頻繁に起こる教育では,時として創発を伴う「行為に伴う学び」がその中核になります。そこでは,「学びの意欲」「学びの意図」やその基礎となる社会感情・情緒スキルをも身につけさせることも長期継続的教育課題となり,最終的に,個々生徒が社会的自己を確立した主体的行為者として、そしてアクティブ・ラーナーとして巣立つことが目標となりそうです。
本シンポジウムでは,今一度根本に立ち戻り,学びと教え,そして教育の再構築について共に考える場となること期待しています。
本シンポジウムのプログラム構成:
0 本シンポ企画の趣旨説明
1 アクティブ・ラーニングの脳科学
2 就学前教育の最前線:STEMからSTEAMへ
3 教えと学びの相互行為をどうリデザインするか?
4 教育方法の歴史から紐解くアクティブ・ラーニング
5 総合討論
話題提供1
アクティブ・ラーニングの脳科学
仁木和久
アクティブ・ラーニング(ALと略)を担う「アクティブ脳」は,認知的機能だけでなく,非認知機能,社会的情緒機能をも同時に必要とし,脳全体を使って図1のように実現される。特に重要な構成学習は,「記憶中枢」海馬,「感情中枢」扁桃体,「認知的Switchや対人認知」担うACC,「心の理論」のTPJ等から構成されるAL-Core Netで実現され,ALで重要な「Playful感情やポジティブ感情」「記憶」「自己形成」の機能を担う。AL教育では,論理的思考を担う PFC-Parietal NetとAL-Core Netの連携動作が重要になる。
・構成学習は「行為の学習と記憶」で起こる海馬の「脳活動のバインディング記憶」で説明される。
・構成学習は,ポジティブ感情で促進される。
・mPFCがPositivityや社会的情緒スキル、社会的感情評価に関わり、その結果は扁桃体を経由し感情表現される。
・強いネガティブ感情は,構成学習を阻害する。
・脳は意図を実現させる方向に情報処理を調整する。従い,生徒が「学びの意図」を明確に理解して学ぶことが必要。
・脳の学習を駆動する「意欲」を価値駆動意欲,目標指向意欲へと「意欲の学習発達」させることがAL教育として重要。
・外部から与えられた情報を処理する Surface Learning状態ではPFC-Parietal Netは,DMNすなわちAL-Core Netを抑制する。このため,構成学習は起こらない。
・適切なDeep Learning(深い学び)は,AL-Core NetとPFC-Parietal Netとの協働を起こす。
・一般に,AL-Core NetがALに寄与するためには,学びに対する意欲と意図という内的エネルギー・駆動力が必要。
・生徒の対話Dialogueは重要。しかし,その前に先生のMonologue をやめることで,生徒のWhyを共有しよう。
・アクティブ・ラーニングに寄与する全脳領域は,社会的活動で活性化する「社会脳」である。当然,社会的協調作業の中でALが起こり易い。
・Standard教育の中でも,生徒の意欲や学びの意図を育てる教えのスタイルの中では,ALは起こる。
(同名のポスター発表もご参照下さい)
話題提供2
就学前教育の最前線:STEMからSTEAMへ
内海緒香
就学前の学びは,遊びの中の行為によるアクティブ・ラーニングである。米国で1950年代から始まった理系教育の新しい枠組みSTEMは,小学校以上の教科としてカリキュラム化されており,最近では就学前教育にも取り入れられ始めている。STEM教育の特徴は,問題解決型プロジェクトを通した学びであり,科学,工学,技術,数学と複数の科目にまたがった領域横断的知識が求められ,その中にlife skillが含まれることである。21世紀型スキルが求められる社会では,STEM教育に期待される問題解決型の収束的スキルだけではなく,Art教育に内包された創造性,問題発見型多角的スキルの必要性が強く叫ばれている。
初等教育においてプログラミング学習など先端産業に直接関連する教科の導入を始めた日本とは逆行するかのように,海外の教育先進国では,創造性を育むためには子ども期を通して,豊かな自然の中での自由な活動やArt体験が必要だとますますいわれるようになってきている。この時期,自然体験とともにArtを盛り込むことがなぜ必要なのか,就学前の学びはなぜアナログであるべきなのか,脳認知科学からの証拠をいくつか提示し,ハーバード大学プロジェクト・ゼロの取り組みや経済産業省「未来の教室」実証事業お茶大こども園ラボでのSTEAM実践を紹介する。
話題提供3
教えと学びの相互行為をどうリデザインするか?
緩利 誠
「行為の学習と記憶」,いわゆるアクティブ・ラーニングを学校現場において効果的に実現するためには,これまでの教師の役割をはじめ,カリキュラム・授業づくりの方法論を,「教師自身」がアンラーン(unlearn:学びほぐし)する必要がある。各教師が保持する教えと学びの相互行為に関するステレオタイプをいかに相対化し,リデザインするかが鍵を握る。
その際,アンラーンし,リザインする規範をどこに求めるか,すなわち,学校教育の成功をどう再定義するか,という問いと向き合わなければならない。この点について,近年,国際的に注目を集めているウェルビーイングの概念と関連づけて課題提起する。あわせて,今後必要とされる,教師の学びと成長を支える仕組みや仕掛けについて考究する。
話題提供4
教育方法の歴史から紐解くアクティブ・ラーニング
冨士原紀絵
昨今のアクティブ・ラーニングに関する議論と実践は,教育学にとって決して目新しいものではなく,呼び名が違うだけで古くて新しい問題であり続けてきた。実際にこれまで,いわゆる新教育運動の文脈を中心にして,様々な理論や実践が提案されてきた。他方で,様々な批判や問題,困難も多数指摘されてきた。「はいまわる経験主義」はその象徴的な例である。それらを乗り越えるために蓄積されてきた教育学的努力から学ぶべきことは多い。
では,近年の教育改革において,教育方法史が明らかにしてきた学問的知見はどのように参照されているのだろうか?歴史的反省を踏まえて,地に足の着いた議論と実践を重ねていくことが不可欠である。時代状況の共通点と相違点にも注目しつつ,教育方法の史的観点から現代の状況を紐解き,今後の展望を描きだしたい。
人間は,動物と異なり「行為(意欲と意図をもった行動)」をします。「行為に伴う記憶」も人間固有の記憶であり,1回の経験で成立し,強固であるばかりでなく,時間や空間,状況を変え適応的に想起することができ,その再体験もできる応用が利く記憶です。デューイの教育改革「経験主義教育」に始まり,OECD,そして日本での2020年に始まる教育改革でも,そのターゲットに「行為に伴う学習や記憶」があることは明らかです。
しかし,現在の教育学,心理学での学習理論には,この「行為に伴う学習や記憶」を説明する適切な構成学習(Constructive Learning)理論がありません。構成学習は,既に獲得した知識や技能だけでは「分からない」「できない」状態から,「分かった」「納得した」「できる」状態へ飛躍した時に,アハ!感動や納得感,満足感を伴って成立し,強固で「役立つ記憶」を形成します。この構成学習では,ポジティブ感情や意欲がとりわけ重要ですが,その本質やメカニズムが理解されていません。さらに,この構成学習が社会的協調作業の中で促進される(社会的構成学習)ことは知られていますが,その学習メカニズムは理解されていません。このため,過去の教育改革の失敗では,単に快楽な体験を求めたり,生徒の自由奔放に任せたり,社会的協調という行動パターンを形式的になぞることに終始したり等,学びの改革に直結しない結果に陥りました。今回の教育改革でも,同様な結末を迎える恐れがあると危惧しています。
Alternativeな社会体験型学習の中で人生を変えてしまう程のインパクトを受け,その後の学びを激変させるという事例も多々知られています。このようなEvent型アクティブ・ラーニングは勿論重要で,もっと進歩・発達してほしいと願います。しかし,学校教育での学習の問題は,多くの時間を費やすStandard教科のアクティブ・ラーニング化の成否にかかっていると思います。成功しているAL授業を分析すると,従来型授業の教材を使っていても,先生の一方的Monologueをやめ,生徒に「知りたい」「できるようになりたい」という「意欲」を持たせ,実現可能な明確な「学びの意図目標」を持たせ,与える課題も現在の能力で到達可能な「学びのZone(最近接領域)」にあるように制御し,分からなかったら生徒同士で教え合い、必要があれば質問もできるように学習環境を整え,全てが理解できた状態で授業を終えられようにすることにより,個々の生徒の「学びの行為」を活性化し,アクティブ・ラーニングを引き起こせることが分かります。教師の「教えの行為」が生徒のアクティブ・ラーニングに大きく関わっていることも理解できます。
アクティブ・ラーニング再構築へのチャレンジ
我々はアクティブ・ラーニングを促進する教育の中に,人間本来の学びの能力を開花させ,自立した行為者としてのアクティブ・ラーナーを育てるという教育が本来目指していた「教育ルネッサンス」の可能性を感じます。
なぜならば,意欲と意図という内的エネルギーに駆動される「行為」にアクティブ・ラーニングの芽があることを脳科学が示しているからです。さらに,行為をする者は,言葉通りの「行為者」であるため,教育を「学びの行為者」と「教えの行為者」,「学びの環境」の相互作用のダイナミックスの中で捉えられます。勿論,それを可能にするのは意図コミュニケーションであり,教師と個々の生徒は,常に行為者として互いに学び合う関係です。
人間は,行為を通して学びを積み重ね,十数年もかけて自己を確立し,社会に巣立っていきます。アクティブ・ラーニングが頻繁に起こる教育では,時として創発を伴う「行為に伴う学び」がその中核になります。そこでは,「学びの意欲」「学びの意図」やその基礎となる社会感情・情緒スキルをも身につけさせることも長期継続的教育課題となり,最終的に,個々生徒が社会的自己を確立した主体的行為者として、そしてアクティブ・ラーナーとして巣立つことが目標となりそうです。
本シンポジウムでは,今一度根本に立ち戻り,学びと教え,そして教育の再構築について共に考える場となること期待しています。
本シンポジウムのプログラム構成:
0 本シンポ企画の趣旨説明
1 アクティブ・ラーニングの脳科学
2 就学前教育の最前線:STEMからSTEAMへ
3 教えと学びの相互行為をどうリデザインするか?
4 教育方法の歴史から紐解くアクティブ・ラーニング
5 総合討論
話題提供1
アクティブ・ラーニングの脳科学
仁木和久
アクティブ・ラーニング(ALと略)を担う「アクティブ脳」は,認知的機能だけでなく,非認知機能,社会的情緒機能をも同時に必要とし,脳全体を使って図1のように実現される。特に重要な構成学習は,「記憶中枢」海馬,「感情中枢」扁桃体,「認知的Switchや対人認知」担うACC,「心の理論」のTPJ等から構成されるAL-Core Netで実現され,ALで重要な「Playful感情やポジティブ感情」「記憶」「自己形成」の機能を担う。AL教育では,論理的思考を担う PFC-Parietal NetとAL-Core Netの連携動作が重要になる。
・構成学習は「行為の学習と記憶」で起こる海馬の「脳活動のバインディング記憶」で説明される。
・構成学習は,ポジティブ感情で促進される。
・mPFCがPositivityや社会的情緒スキル、社会的感情評価に関わり、その結果は扁桃体を経由し感情表現される。
・強いネガティブ感情は,構成学習を阻害する。
・脳は意図を実現させる方向に情報処理を調整する。従い,生徒が「学びの意図」を明確に理解して学ぶことが必要。
・脳の学習を駆動する「意欲」を価値駆動意欲,目標指向意欲へと「意欲の学習発達」させることがAL教育として重要。
・外部から与えられた情報を処理する Surface Learning状態ではPFC-Parietal Netは,DMNすなわちAL-Core Netを抑制する。このため,構成学習は起こらない。
・適切なDeep Learning(深い学び)は,AL-Core NetとPFC-Parietal Netとの協働を起こす。
・一般に,AL-Core NetがALに寄与するためには,学びに対する意欲と意図という内的エネルギー・駆動力が必要。
・生徒の対話Dialogueは重要。しかし,その前に先生のMonologue をやめることで,生徒のWhyを共有しよう。
・アクティブ・ラーニングに寄与する全脳領域は,社会的活動で活性化する「社会脳」である。当然,社会的協調作業の中でALが起こり易い。
・Standard教育の中でも,生徒の意欲や学びの意図を育てる教えのスタイルの中では,ALは起こる。
(同名のポスター発表もご参照下さい)
話題提供2
就学前教育の最前線:STEMからSTEAMへ
内海緒香
就学前の学びは,遊びの中の行為によるアクティブ・ラーニングである。米国で1950年代から始まった理系教育の新しい枠組みSTEMは,小学校以上の教科としてカリキュラム化されており,最近では就学前教育にも取り入れられ始めている。STEM教育の特徴は,問題解決型プロジェクトを通した学びであり,科学,工学,技術,数学と複数の科目にまたがった領域横断的知識が求められ,その中にlife skillが含まれることである。21世紀型スキルが求められる社会では,STEM教育に期待される問題解決型の収束的スキルだけではなく,Art教育に内包された創造性,問題発見型多角的スキルの必要性が強く叫ばれている。
初等教育においてプログラミング学習など先端産業に直接関連する教科の導入を始めた日本とは逆行するかのように,海外の教育先進国では,創造性を育むためには子ども期を通して,豊かな自然の中での自由な活動やArt体験が必要だとますますいわれるようになってきている。この時期,自然体験とともにArtを盛り込むことがなぜ必要なのか,就学前の学びはなぜアナログであるべきなのか,脳認知科学からの証拠をいくつか提示し,ハーバード大学プロジェクト・ゼロの取り組みや経済産業省「未来の教室」実証事業お茶大こども園ラボでのSTEAM実践を紹介する。
話題提供3
教えと学びの相互行為をどうリデザインするか?
緩利 誠
「行為の学習と記憶」,いわゆるアクティブ・ラーニングを学校現場において効果的に実現するためには,これまでの教師の役割をはじめ,カリキュラム・授業づくりの方法論を,「教師自身」がアンラーン(unlearn:学びほぐし)する必要がある。各教師が保持する教えと学びの相互行為に関するステレオタイプをいかに相対化し,リデザインするかが鍵を握る。
その際,アンラーンし,リザインする規範をどこに求めるか,すなわち,学校教育の成功をどう再定義するか,という問いと向き合わなければならない。この点について,近年,国際的に注目を集めているウェルビーイングの概念と関連づけて課題提起する。あわせて,今後必要とされる,教師の学びと成長を支える仕組みや仕掛けについて考究する。
話題提供4
教育方法の歴史から紐解くアクティブ・ラーニング
冨士原紀絵
昨今のアクティブ・ラーニングに関する議論と実践は,教育学にとって決して目新しいものではなく,呼び名が違うだけで古くて新しい問題であり続けてきた。実際にこれまで,いわゆる新教育運動の文脈を中心にして,様々な理論や実践が提案されてきた。他方で,様々な批判や問題,困難も多数指摘されてきた。「はいまわる経験主義」はその象徴的な例である。それらを乗り越えるために蓄積されてきた教育学的努力から学ぶべきことは多い。
では,近年の教育改革において,教育方法史が明らかにしてきた学問的知見はどのように参照されているのだろうか?歴史的反省を踏まえて,地に足の着いた議論と実践を重ねていくことが不可欠である。時代状況の共通点と相違点にも注目しつつ,教育方法の史的観点から現代の状況を紐解き,今後の展望を描きだしたい。