[PA22] 一桁たし算における被加数,加数の影響
Keywords:一桁たし算、反応時間
目 的
一桁たし算(被加数,加数が一桁のたし算)において,問題に含まれる被加数や加数などの数が反応時間(問題提示から回答までの時間)にどのような影響を与えるかについて発達的に検討する。
方 法
対象:小学校1年生39名,2年生38名
方法:パソコンを用いて被加数,加数が0~9の一桁たし
算100問の回答を求めて反応時間を測定した。
結果と考察
計算不能の2年生1名の結果を除外した。
繰り上がりの有無,学年,被加数,加数を区別して反応時間の平均値(sec)をTableに示した。繰り上がりの有無を区別し,被加数,加数ごとに集計した反応時間に違いがあるかについて,学年差を含めて分析した。
繰り上がりのない問題について2(学年:1年・2年)×10(被加数:0~9)の分散分析を行ったところ,学年の主効果(F(1,74)=23.959,p<.01),被加数の主効果(F(9,666)=7.566,p<.01)が有意であった。被加数について多重比較を行った結果,被加数0と2・3・4・6・7,1と3・4・6,5と6,2・3・4・6と9が1%水準,0と1・8,1と2・7,3・4と5,4・6と8,7と9が5%水準で有意であった。被加数0より1~8,1より2・3・4・6・7,5より3・4・6,8より4・6,9より2・3・4・6・7の反応時間が大きかった。
2(学年:1年・2年)×10(加数:0~9)の分散分析を行ったところ,学年の主効果(F(1,74)=21.346,p<.01),被加数の主効果(F(9,666)=5.776,p<.01)が有意であった。加数について多重比較を行った結果,加数0と2~7,1と3・4・6,6と9が1%水準,0と1,1と2・7,2・3・4・7と9,5・8と6が5%水準で有意であった。加数0より1~7,1より2・3・4・6・7,5・8より6,9より2・3・4・6・7の反応時間が大きかった。
繰り上がりがある問題について2(学年:1年・2年)×8(被加数:2~9)の分散分析を行ったところ,学年の主効果(F(1,74)=36.297,p<.01),被加数の主効果(F(7,518)=3.293,p<.01)が有意であった。被加数について多重比較を行った結果,被加数2と7・8が1%水準,2と6,3~5・9と7・8が5%水準で有意であった。被加数2より6~8,3~5・9より7・8の反応時間が大きかった。
2(学年:1年・2年)×8(加数:2~9)の分散分析を行ったところ,学年の主効果(F(1,74)=38.630,p<.01),加数の主効果(F(7,518)=4.152,p<.01)が有意であった。加数について多重比較を行った結果,加数2・3と6~8が1%水準,2と9,5・9と7・8が5%水準で有意であった。加数2より6~9,3・5・9より7・8の反応時間が大きかった。
全てにおいて2年生より1年生の方が反応時間は大きかった。
以上より,反応時間は,繰り上がりがない問題では被加数や加数0・1・5・8・9が小さく6・7は大きい,繰り上がりがある問題では2~5・9が小さく7・8は大きい傾向であった。
一桁たし算(被加数,加数が一桁のたし算)において,問題に含まれる被加数や加数などの数が反応時間(問題提示から回答までの時間)にどのような影響を与えるかについて発達的に検討する。
方 法
対象:小学校1年生39名,2年生38名
方法:パソコンを用いて被加数,加数が0~9の一桁たし
算100問の回答を求めて反応時間を測定した。
結果と考察
計算不能の2年生1名の結果を除外した。
繰り上がりの有無,学年,被加数,加数を区別して反応時間の平均値(sec)をTableに示した。繰り上がりの有無を区別し,被加数,加数ごとに集計した反応時間に違いがあるかについて,学年差を含めて分析した。
繰り上がりのない問題について2(学年:1年・2年)×10(被加数:0~9)の分散分析を行ったところ,学年の主効果(F(1,74)=23.959,p<.01),被加数の主効果(F(9,666)=7.566,p<.01)が有意であった。被加数について多重比較を行った結果,被加数0と2・3・4・6・7,1と3・4・6,5と6,2・3・4・6と9が1%水準,0と1・8,1と2・7,3・4と5,4・6と8,7と9が5%水準で有意であった。被加数0より1~8,1より2・3・4・6・7,5より3・4・6,8より4・6,9より2・3・4・6・7の反応時間が大きかった。
2(学年:1年・2年)×10(加数:0~9)の分散分析を行ったところ,学年の主効果(F(1,74)=21.346,p<.01),被加数の主効果(F(9,666)=5.776,p<.01)が有意であった。加数について多重比較を行った結果,加数0と2~7,1と3・4・6,6と9が1%水準,0と1,1と2・7,2・3・4・7と9,5・8と6が5%水準で有意であった。加数0より1~7,1より2・3・4・6・7,5・8より6,9より2・3・4・6・7の反応時間が大きかった。
繰り上がりがある問題について2(学年:1年・2年)×8(被加数:2~9)の分散分析を行ったところ,学年の主効果(F(1,74)=36.297,p<.01),被加数の主効果(F(7,518)=3.293,p<.01)が有意であった。被加数について多重比較を行った結果,被加数2と7・8が1%水準,2と6,3~5・9と7・8が5%水準で有意であった。被加数2より6~8,3~5・9より7・8の反応時間が大きかった。
2(学年:1年・2年)×8(加数:2~9)の分散分析を行ったところ,学年の主効果(F(1,74)=38.630,p<.01),加数の主効果(F(7,518)=4.152,p<.01)が有意であった。加数について多重比較を行った結果,加数2・3と6~8が1%水準,2と9,5・9と7・8が5%水準で有意であった。加数2より6~9,3・5・9より7・8の反応時間が大きかった。
全てにおいて2年生より1年生の方が反応時間は大きかった。
以上より,反応時間は,繰り上がりがない問題では被加数や加数0・1・5・8・9が小さく6・7は大きい,繰り上がりがある問題では2~5・9が小さく7・8は大きい傾向であった。