[PC46] 看護学生の死生観を培うための授業効果
Keywords:看護学生、死生観
はじめに
看護は「人の死」に直面することの多い仕事であり,看護基礎教育における臨地実習(病院等における実習)においても受け持ち患者の死に臨む機会がある。そのため「死生観」について向き合う時間を多く持つことが必要である。
様々な健康問題を負う対象である患者およびその家族を理解し,看護倫理・生命倫理について考えることを目的に展開しており,終末期にある対象の全人的苦痛の緩和と尊厳ある死を迎えられるように援助するための必要な知識・技術を学ぶことを目的としている。授業方法が,学生によってどのように受け止められており「終末期にある対象の全人的苦痛の緩和と尊厳ある死を迎えられるように援助するための必要な知識,技術を学ぶこと」や「深く考える姿勢を培う」「自己の死生観に向き合う時間とする」に繋がっているのかを知り,授業効果を検討するために本研究を行った。
研究方法
1)大阪信愛女学院短期大学倫理委員会の了承を得た後,対象者には文書と口頭にて研究の趣旨を説明し同意を得た看護学生2年次生5名
2)その説明は自由意志を損なわないよう留意し,調査票は無記名で記入し,対象者のプライバシーに配慮した。
3)授業終了後「あなたの考える死生観」を,A4用紙1枚程度に自由記述してもらったものをデータとした。
4)得られたデータは,フリーソフトHK-coderを用いて分析した。
結 果
1)HK-coderによるクラスター分析
総抽出語数は1267語,使用語数477語で,語の出現回数3回以上でクラスター分析を行い,6クラスターが抽出された。各クラスターの意味を前後の文脈を参考に共同研究者間で協議し,命名した。クラスター1は<寄り添う><看護><患者><ケア><緩和><最期>で≪寄り添うケア≫とした。クラスター2は<光><希望><生きる>で≪希望≫とした。クラスター3は<行う><過ごす><時間><大切><最後><前向き>で≪最後の時間≫とした。クラスター4は<分かる><言う><死ぬ><思う><授業><今回>で,≪授業理解≫とした。クラスター5は<書く><自分><準備>で,≪患者の準備≫とした。クラスター6は<良い><知る><人><死><迎える><考える><家族><死生><残す><生活><ノート><エンディング>で,≪患者とその家族の生活≫とした。
考 察
1)看護学生の理解
クラスター1・3・6については,看護学生が看護の対象者である患者を看護学生は,対象者である患者を援助するべき「生活者」としてとらえ<看護>は,<最期>まで苦痛を軽減,即ち<緩和>し,<寄り添う><患者><ケア>すると捉えてはいないのではないかと考える。また,対象を患者だけでなく,その家族という緩和ケアの定義等の授業内容を理解した上で,実践しようとする姿勢を推測することができた。
2)患者観・死生観
クラスター2では,≪希望≫を見出し,クラスター3・4・6では,先に待つ死だけに注目するのではなく,患者自身が残された生活をどのように過ごしたいのかという現在から繋がる近い未来を支援するという看護学生が考える「最期までの対象者の在り方」が明らかとなった。
おわりに
看護学生は,対象者を患者とその家族として捉え,看護は生活に対して苦痛を緩和し寄り添いケアすると理解していることが分かった。
看護は「人の死」に直面することの多い仕事であり,看護基礎教育における臨地実習(病院等における実習)においても受け持ち患者の死に臨む機会がある。そのため「死生観」について向き合う時間を多く持つことが必要である。
様々な健康問題を負う対象である患者およびその家族を理解し,看護倫理・生命倫理について考えることを目的に展開しており,終末期にある対象の全人的苦痛の緩和と尊厳ある死を迎えられるように援助するための必要な知識・技術を学ぶことを目的としている。授業方法が,学生によってどのように受け止められており「終末期にある対象の全人的苦痛の緩和と尊厳ある死を迎えられるように援助するための必要な知識,技術を学ぶこと」や「深く考える姿勢を培う」「自己の死生観に向き合う時間とする」に繋がっているのかを知り,授業効果を検討するために本研究を行った。
研究方法
1)大阪信愛女学院短期大学倫理委員会の了承を得た後,対象者には文書と口頭にて研究の趣旨を説明し同意を得た看護学生2年次生5名
2)その説明は自由意志を損なわないよう留意し,調査票は無記名で記入し,対象者のプライバシーに配慮した。
3)授業終了後「あなたの考える死生観」を,A4用紙1枚程度に自由記述してもらったものをデータとした。
4)得られたデータは,フリーソフトHK-coderを用いて分析した。
結 果
1)HK-coderによるクラスター分析
総抽出語数は1267語,使用語数477語で,語の出現回数3回以上でクラスター分析を行い,6クラスターが抽出された。各クラスターの意味を前後の文脈を参考に共同研究者間で協議し,命名した。クラスター1は<寄り添う><看護><患者><ケア><緩和><最期>で≪寄り添うケア≫とした。クラスター2は<光><希望><生きる>で≪希望≫とした。クラスター3は<行う><過ごす><時間><大切><最後><前向き>で≪最後の時間≫とした。クラスター4は<分かる><言う><死ぬ><思う><授業><今回>で,≪授業理解≫とした。クラスター5は<書く><自分><準備>で,≪患者の準備≫とした。クラスター6は<良い><知る><人><死><迎える><考える><家族><死生><残す><生活><ノート><エンディング>で,≪患者とその家族の生活≫とした。
考 察
1)看護学生の理解
クラスター1・3・6については,看護学生が看護の対象者である患者を看護学生は,対象者である患者を援助するべき「生活者」としてとらえ<看護>は,<最期>まで苦痛を軽減,即ち<緩和>し,<寄り添う><患者><ケア>すると捉えてはいないのではないかと考える。また,対象を患者だけでなく,その家族という緩和ケアの定義等の授業内容を理解した上で,実践しようとする姿勢を推測することができた。
2)患者観・死生観
クラスター2では,≪希望≫を見出し,クラスター3・4・6では,先に待つ死だけに注目するのではなく,患者自身が残された生活をどのように過ごしたいのかという現在から繋がる近い未来を支援するという看護学生が考える「最期までの対象者の在り方」が明らかとなった。
おわりに
看護学生は,対象者を患者とその家族として捉え,看護は生活に対して苦痛を緩和し寄り添いケアすると理解していることが分かった。