[PE55] 印象に残る教師像:大学生への半構造化面接を通して(3)
嫌いなタイプの教師像
Keywords:嫌いなタイプの教師、大学生、半構造化面接
問題および目的
杉村(1979)の大学生に対して好きな教師と嫌いな教師の特徴を自由記述によって調査した研究では,小学校時代に嫌いだった教師はえこひいきする,よく怒るなど,中学校時代では,よく怒る,えこひいきするなど,高校時代においては,皮肉を言う,押しつけるなどの特徴の教師があげられた。また,豊田(2000)では,小学校から中学時代は生活指導を含めた児童(生徒)への対応のまずさが重視されており,中学校から高校時代においては,生徒とのふれあい不足があげられ,回想する時代による差が指摘されている。
本研究では,大学生に対し,半構造化面接による回想法によって現代の大学生の嫌いな教師像を明らかにする。なお,本研究では時代を区切ることなく質問を行っており,大学生がこれまでに出会った教師の中で最も嫌いなタイプ,もしくは教師全体に対するイメージである。
方 法
面接協力者:大学1~4年生男女で教職志望がある学生とない学生のそれぞれ50名ずつの合計100名。
説明と同意:愛知学院大学総合政策学会の倫理委員会の審査を受けて実施した。面接協力者には個人情報について説明し,同意を得た。
時期:2018年10月下旬~2019年1月上旬。
面接内容:「あなたが嫌いな先生は,どんなタイプの先生ですか」と問い,大学の教員をイメージした場合のみ,小中高の先生では,と問い直した。
結果の整理:面接によって得られた回答を意味や文脈が近い感じのものに分類し,7つのカテゴリーに分類した(Table 1)。
結果と考察
全体で163の嫌いな教師イメージが語られた。100名のうち,1名が「これまでの先生がいい先生ばかりだったので,思い浮かばない」という学生がいたが,それぞれが嫌いなタイプの教師イメージを持っていた。
Table1より,大学生の回答で最も多かったのが,自己中心的な先生を含む,児童生徒に対して決めつけた言い方をする,意見を押し付けるようなタイプであった。また,ひいきなどを含む不平等感を答えた学生も多く,先行研究と類似していると言える。その他,怖く話しかけづらい,淡々と教える仕事のみしているような友好的ではないタイプの先生の回答も多かった。その一方で,過度に干渉的であったり,児童生徒からなめられるような“優しい”タイプの先生も嫌いなタイプとしてあがっており,先生として距離を取りすぎても,近すぎても嫌われると言える。
教職志望の有無に注目すると,「決めつけ・押し付け」カテゴリーに分類されたイメージの72.7%が教職志望の学生の回答であった。中でも,物の言い方などが「高圧的」,価値観などを「押し付ける」というイメージは教職志望の学生のみの反応であった。このことから,教職志望の有無で,嫌いな先生のタイプが違っている可能性が示唆される。
杉村(1979)の大学生に対して好きな教師と嫌いな教師の特徴を自由記述によって調査した研究では,小学校時代に嫌いだった教師はえこひいきする,よく怒るなど,中学校時代では,よく怒る,えこひいきするなど,高校時代においては,皮肉を言う,押しつけるなどの特徴の教師があげられた。また,豊田(2000)では,小学校から中学時代は生活指導を含めた児童(生徒)への対応のまずさが重視されており,中学校から高校時代においては,生徒とのふれあい不足があげられ,回想する時代による差が指摘されている。
本研究では,大学生に対し,半構造化面接による回想法によって現代の大学生の嫌いな教師像を明らかにする。なお,本研究では時代を区切ることなく質問を行っており,大学生がこれまでに出会った教師の中で最も嫌いなタイプ,もしくは教師全体に対するイメージである。
方 法
面接協力者:大学1~4年生男女で教職志望がある学生とない学生のそれぞれ50名ずつの合計100名。
説明と同意:愛知学院大学総合政策学会の倫理委員会の審査を受けて実施した。面接協力者には個人情報について説明し,同意を得た。
時期:2018年10月下旬~2019年1月上旬。
面接内容:「あなたが嫌いな先生は,どんなタイプの先生ですか」と問い,大学の教員をイメージした場合のみ,小中高の先生では,と問い直した。
結果の整理:面接によって得られた回答を意味や文脈が近い感じのものに分類し,7つのカテゴリーに分類した(Table 1)。
結果と考察
全体で163の嫌いな教師イメージが語られた。100名のうち,1名が「これまでの先生がいい先生ばかりだったので,思い浮かばない」という学生がいたが,それぞれが嫌いなタイプの教師イメージを持っていた。
Table1より,大学生の回答で最も多かったのが,自己中心的な先生を含む,児童生徒に対して決めつけた言い方をする,意見を押し付けるようなタイプであった。また,ひいきなどを含む不平等感を答えた学生も多く,先行研究と類似していると言える。その他,怖く話しかけづらい,淡々と教える仕事のみしているような友好的ではないタイプの先生の回答も多かった。その一方で,過度に干渉的であったり,児童生徒からなめられるような“優しい”タイプの先生も嫌いなタイプとしてあがっており,先生として距離を取りすぎても,近すぎても嫌われると言える。
教職志望の有無に注目すると,「決めつけ・押し付け」カテゴリーに分類されたイメージの72.7%が教職志望の学生の回答であった。中でも,物の言い方などが「高圧的」,価値観などを「押し付ける」というイメージは教職志望の学生のみの反応であった。このことから,教職志望の有無で,嫌いな先生のタイプが違っている可能性が示唆される。