日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(発達)

[P] ポスター発表(発達): P001-P054

2020年9月19日~21日

[P008] 「重さ」の授業からみえてくるもの

大西 真樹男 (立命館大学)

Keywords:重さ、授業、発達

研究の目的は,小学校理科あるいは算数における「重さ」の授業ではどのようなことが重視され,あるいは工夫されているのか等について具体的な授業記録をもとに明らかにし,その意味を考察することである。1972年から2019年までの46授業を対象とし,子どもの発達を意識しているか,授業で何が重視されているかなどに留意しながら授業記録を分析した。その結果,以下の5点が明らかになった。①小学校4年生で理科の「重さ」の授業を行った方が,小学校3年生で行うより子どもは理解できる。②小学校3年生から理科で「重さ」を扱う場合,体験を重視するべきである。③友達の意見を聞いて考える場面が授業には必要である。④興味・関心の広がりを重視すべきである。⑤理科と算数の合科,あるいは関連を考えて「重さ」の授業を構想することも重要である。以上から,授業者は,子どもの認知的な発達を意識しながら授業を行っていることが明らかになった。