日本教育心理学会第62回総会

Presentation information

ポスター発表(発達)

[P] ポスター発表(発達): P001-P054

2020年9月19日~21日

[P009] 社会的視点取得における発達的変化 

大人と幼児,発達障害児について

小沢 日美子 (同朋大学)

Keywords:意図理解、誤信念、社会的視点取得

社会的視点取得能力とは,他者の立場に立ち相手の感情や思考を理解し,相手の考えや気持ちを推し量り調整して対人行動に生かす能力とされ,「心の理論」を中心として研究されて来ている。「心の理論」の獲得の遅れは,心の理論の発達水準の問題といわれる(Baron-Cohen1989)が,他者の心を類推し理解する心の理論の発達には,意図的な絵本や物語に接する機会の多さが影響を及ぼすとされる(Tsunemi,et al.,2014)。そこで,ここでは,幼児と大人及び発達障害児の心の理論発達をそれぞれ調査して発達水準に関連する要因についての検討をする。大人では,他者(R)の意図を理解する課題にて男女差が示され,幼児では,年齢と言語発達得点の交互作用が意図理解得点に示唆された。また,大人,幼児,発達障害児とも社会生活経験,言語理解が意図理解では影響することが考察された。