[P020] 就職活動を通してのキャリアレジリエンス形成過程の解明
Keywords:キャリアレジリエンス、就職活動
本研究では，不採用経験を乗り越えて就職活動を継続する過程の理論モデルを援用し，キャリアレジリエンスの形成過程を明らかにすることを目的とする。就職活動開始前と，就職活動の終盤の2回の調査を実施し，127名分の回答を得た。キャリアレジリエンスの5つの構成要素の就職活動前と終盤の得点についてｔ検定を行った結果，終盤の方が有意に高かった3つの要素について，終盤のキャリアレジリエンスの得点を目的変数，就職活動維持過程尺度の各因子を説明変数とした重回帰分析を行った。その結果，3つの要素全てに対して，就職活動維持過程のうち認知的切り替えが有意な正の影響を，2つに対して目標明確化が有意な正の影響を示した。以上より，就職活動の中で不採用という困難な出来事を経験しても，気持ちを切り替えたり，自分の進むべき目標を見つけるという経験をすることで，キャリアレジリエンスの一部の要素が形成されることが判明した。