日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(発達)

[P] ポスター発表(発達): P001-P054

2020年9月19日~21日

[P022] 親子の注意欠如・多動症的行動特性と養育ニーズに関する検討

齊藤 彩1, 佐藤 みのり2, 坂田 侑奈2 (1.お茶の水女子大学, 2.お茶の水女子大学大学院)

Keywords:注意欠如・多動症的行動特性、親子、養育ニーズ

本研究は,親子の注意欠如・多動症的行動特性(ADHD特性)と養育ニーズとの関連について,小学生の母親341名と父親159名のデータを使用して分析を行った。母親・父親の評定により母親・父親のADHD特性ならびに養育ニーズを測定し,母親の評定により子どものADHD特性を測定した。母親と父親のADHD特性の高さは,養育ニーズに関するすべての下位尺度との間に正の相関を示し,ADHD特性が高い母親と父親は,養育における困難に直面しやすく支援ニーズが高いことが示唆された。カットオフ値以上のADHD特性を示す「ADHD臨床相当群」の親と「非臨床群」の親の養育ニーズ得点を比較したところ,ADHD臨床相当群の母親は,感情のコントロール,注意/つながり,突発性,感覚の問題におけるニーズが高く,ADHD臨床相当群の父親は,手本/行動の教示,突発性,コミュニケーションにおけるニーズが高かった。子どものADHD特性の高さについても,母親と父親の双方の養育ニーズに関するすべての下位尺度の間に正の相関を示し,ADHD特性が高い子どもの養育における支援ニーズの高さが示唆された。