日本教育心理学会第62回総会

講演情報

ポスター発表(発達)

[P] ポスター発表(発達): P001-P054

2020年9月19日~21日

[P031] 仲間の違反の報告に対する中学生の認識

報告の決定と報告に対する善悪判断,告げ口の同定,ネガティブな結果の予期の関連

楯 誠 (名古屋経済大学)

キーワード:告げ口、善悪判断、結果予期

本研究は,中学生を対象に仲間・友人の違反を教師に報告すること(告げ口,tattling)の決定と報告の善悪判断,報告を告げ口と同定するかの判断,報告によるネガティブな結果の予期の関連性を検討するものである。中学2年生207名が,仮想場面課題による質問紙実験に参加した。仮想場面課題は,仲の良い友人の違反を目撃した主人公が,教師にそのことを報告するという内容であった。主人公の報告に対する善悪判断,報告を告げ口と見なすかの判断が尋ねられた。また,報告によって友人が教師に叱られるか,主人公が友人から嫌われるかの予測が質問された。これらの判断・予測と,「自分が主人公であったら」友人の違反を報告するか否かの判断との関連性が検討された。結果として,報告の決定と報告に対する善悪判断,報告を告げ口と見なすかの判断,報告によって主人公が友人から嫌われるという予測との間に一定の関連性があることが明らかになった。