日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P065] 達成目標と学習方略の関係性

メタ分析を用いた検討

池田 賢司1, 江 聚名2, 柿沼 亨祐3, 田中 あゆみ2 (1.東海学院大学, 2.同志社大学, 3.同志社大学・日本学術振興会)

Keywords:達成目標、深い処理、浅い処理

本研究では,達成目標(i.e., 習得接近目標と遂行接近目標)と学習方略(i.e., 深い処理と浅い処理)との間の関係性について検討した。これまでの研究において,習得接近目標は深い処理と,遂行接近目標は浅い処理とより関連していることが想定されており(the depth of learning hypothesis; Senko et al., 2011),の想定に一致した結果が得られている。しかしながら,この想定とは矛盾した結果も得られており,the depth of learning hypothesis の妥当性について疑問が残る。そこで本研究では,達成目標と学習方略の関係性についてメタ分析を用いより詳細に検討し,the depth of learning hypothesis を再検証した。その結果,深い処理については,習得接近目標の方が深い処理とより強い関連があることが示された。一方で,浅い処理についてもはいずれの目標との間の相関係数も同程度の値であった。この結果を踏まえると,the depth of learning hypothesis における達成目標と浅い処理の関係性に関する枠組みについては修正を行う必要があると考えられる。