[P073] 主体的学修分類と心理的要因の関連
自己決定性に注目して
キーワード:主体的学修、学習者特性、自己決定性
これまでの研究では,学生の実際の学習行動から主体性を分類する主体的学修分類尺度を作成し,下位尺度得点の高低を利用した主体的学修分類(成長志向,完了志向,防衛志向,参加志向)を開発してきた(白澤他,2019 岩屋・白澤,2018)。本研究の目的は,主体的学修分類の特性を心理的要因から明らかにすることである。A短期大学1~3年生259名に調査を行い有効回答の142部を分析対象とした。心理的要因は,①大学生用学習動機づけ尺度,②自尊感情尺度,③本来感尺度,④自律性尺度,⑤アクティブラーニング自己効力感尺度を用いた。主体的学修分類と心理的要因の関連について一元配置分散分析を行ったところ,能動性の高い成長志向は「内発」「同一化」とともに「取り入れ」が高く,期待や要請を取り入れて従う外発的動機づけを併せ持っていた。防衛志向は「外的」が最も高く,何らかの罰を避けることに動かされ,自尊感情や本来感を持てない状況にあると予測する。学業達成よりも罰の回避という不適応な認知が学習回避行動を引き起こしている可能性が示唆された。