日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P075] 「範囲画定型ルール」による誤概念反応のリバウンド抑制効果を高めるための工夫

植松 公威 (東北生活文化大学)

Keywords:誤概念、リバウンド、範囲画定

学習者がもつ過去経験と科学的な新情報は対立的な関係にあることが多いが,両者の妥当性を場合分けによって示した「範囲画定型ルール」を提示することは誤概念反応のリバウンドを抑制する効果が期待される。しかし,単に「範囲画定型ルール」を提示するだけでは誤概念反応のリバウンドを抑制する効果は得られにくい。このルールの提示以外で必要なことは,学習者がもつ過去経験を教授活動の冒頭で明確化することによって,教材文における科学的な新情報との関係を考えさせ,両者の統合,共存を促すことである。したがって,過去経験の明確化と科学的な新情報の強調が必要になる。しかし,それをどのように実現したらよいだろうか。学習者の中には教材文に興味をもてなかったり,提示されたルールの意味を理解できない者も多い。そこで,教材文に対する知的好奇心を喚起するために,発問を出して課題への正答を予想させたり,重要なところにアンダーラインを引いたり,ルールの表現の理解を高めるためにトピックをつけたりする工夫が必要であると考えられる。