日本教育心理学会第62回総会

講演情報

ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P084] 類推能力と創造的思考力の関係性

大塚 紫乃 (江戸川大学)

キーワード:類推、創造的思考、問題解決

類推による問題解決を行えるか否かに関わる能力として,創造的思考力の3つの側面(流暢性,柔軟性,独自性)を挙げ,検討を行った。大学生を対象とし,質問紙によって,創造的思考力と類推能力を測る課題を行った。創造的思考力の課題として,“Unusual Uses Test”(以下UUT)を用いた。UUTは流暢性,柔軟性,独創性の3つの側面から得点化した。流暢性はアイデアの個数,柔軟性はアイデアの観点数を得点とした。独創性は個々のアイデアを,生成した人数に応じて,少ないほど得点が高くなるようにし,合計を得点とした。類推能力の課題として“放射線問題”を用いた。参考となる物語から類推を行うことで解決ができる問題であった。分析の結果,類推能力と創造的思考力の柔軟性の関係性が明らかとなった。柔軟に様々な方向から思考できる能力が,類推にとって重要であることが示唆された。類推の発達を説明する要因として創造的思考力の柔軟性も考慮する必要がある。