[P093] 繰り返し処理に対する概念的理解を深める授業の検討
算数の内容に関連する発問を行う場合
キーワード:プログラミング教育、概念的理解、繰り返し処理
現在の小学校プログラミング教育における研究では,手続き的知識のみを評価しているものが多く,概念的理解を評価する研究が必要と考えられる。そこで本研究の目的は,授業中に,プログラミングだけでなく算数の内容にも関連するような発問を行うことで,プログラミングの基本要素の一つである繰り返し(ループ)処理の考え方に対する概念的理解が深まるかどうかということを明らかにすることである。小学校5年生に対し,協同的探究学習の構成を意識した授業を週に1コマ,合計2コマ行い,授業の前週と次週にテストを行った。分析の結果,発問を行った群は,事後テストで繰り返し処理の考え方を用いて説明した人数が有意に増えたため,繰り返し処理に対する概念的理解が深まったと考えられる。以上より,協同的探究学習を意識した授業において,算数の内容とも関連する発問を行うことで,繰り返し処理の考え方に対する概念的理解が深まることが示唆された。