[P137] 障害者雇用研修の開発に向けた領域密着理論の生成
Keywords:視覚障害、事務系職種、就労スキル
近年の施策により,企業の障害者採用と当事者の求職(入社)が促進された結果,入社後における職務の確保と拡大が現場の重要な課題となっている。職場の環境整備は上司・同僚の支援が不可欠であるが,障害者雇用の現場では「適した業務が無い」ことが問題となっている。職務の拡大には当事者の就労スキル発達と周囲の支援プロセスを説明・予測できる理論が必要である。そこで,事務系職種での職務確保・拡大が急務となっている視覚障害を対象に,当事者15名・上司17名(12社)収集した質的データをM-GTAで分析した。結果,コア・カテゴリー(「できる・させるの決定」文脈)及び4つのカテゴリー(双方の遠慮・本人の要求・上司の指示・双方の連帯)が生成された。コア・カテゴリーが得られたことで,理論的枠組みに基づいた研修を設計することが可能になった点で意義がある。データは視覚障害者領域で収集したが,他障害者や健常者に応用することも可能である。