日本教育心理学会第62回総会

講演情報

ポスター発表(教授・学習・認知)

[P] ポスター発表(教授・学習・認知): P055-P188

2020年9月19日~21日

[P173] 音楽科の鑑賞活動における概念的理解の深化を促す授業実践の検討

関連づけを促す発問の影響について

溝口 朗央 (東京大学大学院)

キーワード:音楽科、概念的理解、授業実践

本研究では,音楽科の鑑賞活動において,楽曲の構成要素や既有知識の関連づけを促す発問が音楽の概念的理解の深化に対してどのような影響を与えるのかについて検討することを目的とする。これを明らかにするため,公立中学校1年生に対して,2群を設けた2コマの研究授業を行い,授業前後の生徒の自由記述がどのように変化したのかについて分析した。調査の結果,水準ごとの人数分布変化の分析から,多方向から音楽を聴く生徒には関連づけを促す発問をすること,特定の要素に注目して音楽を聴く生徒には授業者が関連づけを教示することが,概念的理解の深化に対して効果的であることが示唆された。また,授業過程の分析から,個々の楽曲の構成要素についての意味理解・解釈を適切に行うことが,構成要素間の関連づけの促進につながることが示唆された。