[P190] 親として叱るとき,教師として叱るとき
小・中学生の子をもつ教師を対象とした叱り方の評価次元の検討
キーワード:叱り、親子関係、教師生徒関係
これまでの研究で,中学生とその母親との間での,親子間における叱り方の評価次元が3因子構造であることが明らかとなっている。しかし,教育現場において教師が生徒に対して叱るときにも同じような叱り方の評価次元の構造がみられるのかについてはまだ明らかとなっていない。そこで本研究では,小・中学校の子をもつ教師(430名)を対象に質問紙調査を実施し,自分の子どもに対する叱り方と,教師として生徒に対する叱り方の両方について回答を求めた。その結果,叱り方の評価には親子間だけでなく教師生徒間での叱り方においてもおおむね共通した因子構造がみられ,同一の項目を用いての比較検討が可能であることが明らかとなった。また,同一人物でも,教師として生徒を叱る場合は,親として子を叱る場合よりも望ましい叱り方を意識していることも示唆された。ただし,叱られた生徒が教師からの叱りをどう評価しているかについては今後の課題である。