日本教育心理学会第62回総会

講演情報

ポスター発表(社会)

[P] ポスター発表(社会): P189-P226

2020年9月19日~21日

[P210] 防止焦点はチームメイトによる影響を受けやすいか?

長峯 聖人1, 外山 美樹2 (1.筑波大学大学院, 2.筑波大学)

キーワード:制御焦点、チームメイト、動機づけ

制御焦点理論(Higgins,1997)では,個人の動機づけが獲得に重きを置く促進焦点と損失に重きを置く防止焦点に分けられており,個人差としても扱われる。各制御焦点にはそれぞれに合致した方略や文脈が存在すると言われており,競争場面に着目した先行研究(e.g.,長峯他, 2019)においては,促進焦点の個人がライバルからの影響を受けやすく,その結果,自身の高いパフォーマンスにつながることが示された。しかし,防止焦点はどのような他者から恩恵を受けるのかについては明らかにされていない。そこで本研究ではチームメイトに着目し,競争場面において防止焦点がチームメイトによるポジティブな影響を受けやすいかどうか検討した。その結果,防止焦点はチームメイトがいることによって義務自己の顕在化が生じやすく,さらに義務自己の顕在化は チームへの規範的コミットメントの強化および集団的な動機づけの向上につながりやすいことが明らかにされた。