日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(臨床)

[P] ポスター発表(臨床): P234-P248

2020年9月19日~21日

[P235] いじめ被害の長期的影響における精神的健康

心的外傷後成長とレジリエンスの比較から

長田 真人 (神戸大学大学院)

Keywords:いじめ、心的外傷後成長、レジリエンス

いじめ被害は長期的にも対人関係問題として影響を与えている一方で,肯定的な意味づけの側面もある。こうした危機的な出来事への認定的対処の結果生じる心理的変容として心的外傷後成長があるが,心的外傷後成長と精神的健康との関連は疑問があり,いじめ被害からの回復と成長の区別もなされていない。そこで,本研究ではレジリエンスに注目し,いじめ被害の長期的影響が精神的健康に与える影響を明らかにする。大学生230名を対象とした質問紙調査を行った。調査内容はいじめ被害経験,PTGI-SF-J,二次元レジリエンス尺度,成長要因尺度,2項目自尊感情尺度,人生における目的尺度である。まず,獲得的レジリエンスとPTGI下位因子にクラスター分析を行い,4群に分類した。続いて,資質的レジリエンスを統制し自尊感情・人生目的感を目的変数とする共分散分析を行った。結果から,心的外傷後成長は精神的健康を促進はしないが緩衝している可能性が示唆された。