日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(臨床)

[P] ポスター発表(臨床): P234-P248

2020年9月19日~21日

[P244] 保護者との情動交流が小学生の無気力感に与える影響

学年別回答パターンからの検討

牧 郁子 (大阪教育大学)

Keywords:小学生、無気力感、情動交流

小学生の無気力感構造を発達的観点から検討するために,学年別の回答パターンの分析を行った。具体的には,先行研究(牧,2019)において,小学生の無気力感を要因として示唆された,「保護者との情動交流」「コーピング・エフィカシー」「思考の偏り」「随伴性認知」いった変数と無気力感が,学年別によってどのような回答パターンがあるかを検討した。その結果,学年が上がるにしたがって無気力感が平均値より高い層が増加することが示唆された。併せて6年生において,無気力感が平均値より高い層において,保護者との情動交流の少なさが影響していると考えられる群と,非随伴経験の多さによる思考の偏りが影響していると考えられる群とに分化する可能性が示された。以上の結果から,児童期から思春期への移行期の観点からも,子どもの無気力感を検討する必要性があると考えられた。