[P250] 知的障害児童が交流及び共同学習を行う通常学級での相互依存型集団随伴性に基づく支援の効果
Keywords:知的障害、交流及び共同学習、相互依存型集団随伴性
本研究では,知的障害特別支援学級に在籍する児童が交流及び共同学習を行う通常学級1学級を対象に,相互依存型集団随伴性に基づく支援の効果を,ABCデザインを用いて検討することを目的とした。対象者は,小学校5年の1学級の児童であった。通常学級には知的障害児童1名が交流していた。相互依存型集団随伴性に基づく支援は,学級の生活班の全員が他児への援助行動を報告した場合は,班全員に報酬を提示する,という手続きであった。その結果,他児からの援助を報告した児童の割合が十分に増加しなかった。集団随伴性に基づく支援の報酬をアセスメントに基づいて変更した後に,知的障害児童を含む全児童の報告数が増加した。本研究の結果から,相互依存型集団随伴性に基づく支援では行動改善が示されない場合は,アセスメントに基づく報酬に変更することにより,知的障害児童を含む全児童の援助報告行動は促進されることが示唆された。