日本教育心理学会第62回総会

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ポスター発表(特別支援)

[P] ポスター発表(特別支援): P249-P261

2020年9月19日~21日

[P253] 病弱特別支援学校における夢を語るツールとしてのPATH(Planning Alternative Tomorrows with Hope)

下村 太郎1, 堀田 香織2 (1.公立特別支援学校, 2.埼玉大学)

Keywords:PATH、夢を語るツール、イルネス・アンサーテンティ

全寮制病弱特別支援学校に在籍する生徒が,中学校卒業後の明るい未来を思い描くには受験以外にもイルネス・アンサーテンティという障壁がある。そこで本人の将来の夢が実現するまでの手順を考えるPATH(Planning Alternative Tomorrows with Hope)が有効ではないかと思われた。本研究は,全寮制病弱特別支援学校に在籍する中学生がどのような夢をもち得るのかを明らかにすること,PATHが友達や教員と夢を具体的に語るツールとしてどのような効果をもち得るのかを明らかにすることを目的に,これまでのPATH実践を質的に分析したものである。女子は男子より具体的な夢を語っており,性差の存在が窺われ,男女ともにどの生徒も明るい未来を描いていた。PATHの効果として「プログラム評価」「行動変容」「自己省察」「多様性」「支え合い」という5つのカテゴリーが生成され,病弱教育におけるPATHの有効性が示された。一方,「困難さ」「疲労感」「関係性」という3つのカテゴリーが課題として見いだされた。