The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

口腔機能

口腔機能

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-005] 健常者における訓練飴の口腔機能向上に関する効果の検証

○森野 智子1、戸畑 温子2、溝口 奈菜2 (1. 静岡県立大学短期大学部、2. サンスター株式会社静岡イノベーションセンター)

【目的】
 フレイル予防には口腔機能低下防止に効果が期待されると示されているが,口腔機能向上訓練は単調で評価が困難なために継続が難しい。そこで,美味しく楽しく医療費のかからない訓練飴を用いた口腔機能向上訓練への適用を考え,健常者を用いて訓練飴の口腔機能向上効果を検討した。
【対象および方法】
 対象は,協力企業全社員約3,000人中の事務系50歳以上男性職員のうち説明に同意した32人である。方法はランダム化比較研究である。初めに基礎情報と口腔状況を調査した。口腔状況調査項目は,口腔不潔,口腔乾燥,舌口唇運動機能低下,低舌圧,嚥下機能低下である。無作為に選んだ16人(介入群)に2週間毎日1本飴を舐める介入を実施,残り16人(非介入群)には通常通りの生活を送って頂き,2週間後に介入有無両群の口腔状況を調べた。分析方法は,各項目間の関連性を調べるために統計的解析(t検定)を実施した。
【結果と考察】
 32人の平均年齢は55.6歳で,介入前の平均口腔乾燥度は29.26,平均舌圧は41.36,平均オーラルディアドコキネシス(以下OD)はpa7.0/秒,ta7.3/秒,ka6.5/秒,平均改訂水飲みテストは5,平均口腔細菌量は4.8であった。また,介入群と非介入群の間に有意差が認められた項目は無かった。介入前後で有意な変化が認められたのは介入群の舌圧向上(0.02)と,非介入群のODpa/秒低下(0.03)であった。ODは,介入群では現状維持ができ,舌圧においては訓練飴で短期間に機能向上が得られたことは注目に値する。また,介入前舌圧値がこれまで報告されている基準値より高かったにもかかわらず,介入後さらに向上したことは興味深い結果であった。