The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

口腔機能

口腔機能

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-006] 地域在住高齢者に対する口腔機能向上に向けた標準的指導法に関する系統的レビュー

○三浦 宏子1、森崎 直子2、原 修一3 (1. 国立保健医療科学院国際協力研究部、2. 姫路大学看護学部、3. 九州保健福祉大学保健科学部)

【目的】
 歯科疾患の状況把握と比較して,口腔機能に関する疫学データは不足しており,学術知見に基づく体系的な歯科保健指導法についても十分な集約が図られていない。そこで,本研究では系統的レビューを行うことによって,口腔機能評価法と機能低下者への効果的な介入法に関する学術知見を整理し,標準的な口腔機能向上に向けた指導法について検討する。
【方法】
 内外の最近10年間の論文をもとに,代表的な文献データベース(Medline,EMBASE,Web of Science,医中誌等)を用いて、地域在住高齢者への口腔機能向上に向けた介入法に関する論文を抽出した。論文抽出にあたっては,特定疾患に対するリハビリテーション・プログラムや記述的研究,症例研究は除外した。また,抽出された論文については,The Critical Appraisal Programme Cohort Studies Checklistを用いて批判的吟味を行った。
【結果および考察】
 英文論文8編,和文論文17編が絞り込み条件に該当した。これらの25編の論文において,高頻度に効果が検証された介入プログラムの特性は,①口腔体操(特に舌運動,口唇運動,頬部運動)は必須,②口腔体操に加えて口腔保健に関する講話等を包含した60分~90分プログラムが多数,③プログラムを隔週ごとに1回行い,3カ月間は継続といった3つであった。また,感度が高い口腔機能評価法としては,オーラルディアドコキネシス,反復唾液嚥下テスト,唾液流出量が高率に用いられていた。これらの系統的レビューの結果から,口腔機能向上に向けた標準的指導法の主要コンテンツが示唆された。