The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

Presentation information

一般演題ポスター

口腔機能

口腔機能

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-017] 地域歯科診療所における口腔機能低下症に対する「のみこみ外来」の取り組み
―第1報:概要について―

○間納 美奈1、原 豪志1,2、大西 由夏1、池田 泰菜1、山澄 尚大1、齋藤 貴之1,3、戸原 玄2、小林 健一郎1 (1. こばやし歯科クリニック、2. 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科分野、3. 東京歯科大学口腔健康科学講座摂食嚥下リハビリテーション研究室)

【目的】
 超高齢社会を迎える本邦において摂食嚥下障害への対応は急務である。特に加齢に起因した口腔機能の低下は,フレイルの予測因子になるため,予防的な介入が必要となる。今回,当歯科診療所にて摂食嚥下機能低下を予防的に介入する「のみこみ外来」を開設したので,その実施状況を報告する。
【方法】
 対象者は,ポスターの院内掲示と歯科治療時に声かけにより抽出され,2017年7月〜2018年1月までの間に10名が当外来を受診した。外来の人員配置は,歯科医師1名,看護師1名,管理栄養士1名,歯科衛生士1名とした。計測項目は,In Bodyによる身体計測,MNA-SF,舌圧,オーラルディアドコキネシス,咀嚼能率,口腔内湿潤度の程度等とし,日本老年歯科医学会が規定する口腔機能低下症ガイドラインに基づき,評価した。さらに必要に応じて嚥下造影検査を施行し,適切な摂食嚥下訓練や摂食嚥下機能に合った食事内容や調理方法を指導した。
【結果と考察】
 対象者は,年齢76.4±13.1歳,握力,BMI,SMIの平均値は,19.1±10.3kg,22.3±3.7 kg/m2,5.9±2.4 kg/m2であり,要介護者は1名であった。機能低下を示したのは,舌圧(4人,40%), /pa/(4人,40%),/ta/(4人,40%),/ka/(4人,40%),咀嚼能率(2人,20%),口腔内湿潤度(8人,80%)であった。嚥下造影検査において,誤嚥を呈する者はいなかったが,喉頭侵入は(4人,40%),咽頭残留は(1人,10%)であった。対象者の多くは,咽頭機能よりも口腔機能に問題を抱えており,早期の介入の有効性と継続的なフォローアップが必要であると考えられた。