The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

連携医療・地域医療

連携医療・地域医療

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-034] 回復期病院からシームレスな連携により訪問診療へ移行した摂食嚥下障害患者の一例

○今田 良子1、原 豪志1、並木 千鶴1、安藤 麻理子1、戸原 玄1、水口 俊介1 (1. 東京医科歯科大学大学院高齢者歯科学分野)

【目的】
 摂食嚥下障害患者の対応において退院後の継続した摂食嚥下リハビリテーション(嚥下リハ)の重要性が提唱されて久しい。今回我々は誤嚥性肺炎にて入院した患者に対して回復期病院入院中から介入を開始し,在宅復帰後もシームレスな連携によりすぐに介入を継続できた症例を経験したので報告する。
【症例及び処置】
 83歳男性,胆嚢炎,胃潰瘍の既往あった。平成26年から体重が徐々に減少し,平成29年4月下旬に誤嚥性肺炎を発症,急性期病院へ入院した。同年5月約2週間の入院を経て退院,在宅復帰するも食べ物が喉を通過しなくなり再入院となった。同年7月に経鼻経管栄養にて回復期病院へ転院。同年8月嚥下機能評価を目的として当科が訪問にて介入を開始した。摂食嚥下障害の原因疾患は鑑別されず,意識障害や認知機能に問題はなく,四肢の運動麻痺はなかった。嚥下機能内視鏡検査(VE)を施行したところ,中咽頭後壁に骨棘を認め,安静時には粘性の唾液が多量貯留していた。嚥下時の咽頭収縮は不良であり嚥下反射惹起遅延,食物の咽頭残留,誤嚥を認めた。言語聴覚士のもと,間接訓練を主とした介入を開始した。平成29年8月下旬に胃瘻増設し,同年11月からは直接訓練が開始できた。同年12月に退院後,翌年1月より訪問で介入し,本人へ直接訓練,間接訓練を指導した。
【結果と考察】
 退院時カンファレンスにより,嚥下リハの訪問診療介入が決定し,病院とシームレスな連携を図る事でスムーズに在宅医療へ移行できた。病院という多職種が集まる場所で連携する事により指導内容を統一して理解できた事,また在宅復帰後もすぐに介入できた事が在宅での経口摂取を継続する体制が整えられた事に繋がったものと考えられた。