The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

実態調査

実態調査

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-044] 亜急性期における脳梗塞患者の歯肉出血に関する検討

○熊丸 優子1、平塚 正雄1、二宮 静香1、髙倉 李香1、松尾 佑美1、山口 喜一郎1、原田 真澄1 (1. 医療法人博仁会 福岡リハビリテーション病院歯科)

【目的】
 脳卒中医療に係わる看護師を対象にした調査では,口腔ケア施行時に看護師が困った内容として「口腔内出血」が挙げられている。口腔内からの出血の要因としては歯周ポケットからの出血が考えられる。今回,脳卒中入院患者の歯周ポケットからの出血要因について検討したので報告する。
【方法】
 対象はリハビリテーション目的に入院した脳梗塞患者とした。調査方法は入院時の歯科アセスメントに協力が得られ,オーラルマネジメントの承諾が得られた42症例を対象とした。男性22人,女性20人,平均年齢76.3±11.0歳であった。口腔衛生関連の調査項目として歯数,歯周組織検査(ポケット深さ〔PPD〕,Bleeding on Probing〔BOP〕,歯の動揺度)を評価し,BOPの有無により,BOP(+)群22人とBOP(-)群20人の2群に分け,歯周病の有無,抗血栓薬の服用状況,ADL(Barthel Index)などについて検討した。
 統計処理はカイ二乗検定、Mann–Whitney U検定などを用いた。本研究は福岡リハビリテーション病院倫理委員会の承認を得て行った。
【結果と考察】
 PPD ≧4mmを認めた症例は全体で64.3%,BOP(+)は52.4%であった。BOP(+)群におけるPPD ≧4mmの症例は81.8%,BOP(-)群では45.0%で,両群間に有意差(p=0.013)が認められた。また,PPD ≧4mmの歯数の割合ではBOP(+)群で多く認められた(p=0.043)。今回の結果より,脳梗塞患者では歯周病の罹患率が高く,PPD ≧4mmを認める症例では口腔ケア時に歯肉出血を引き起こす可能性が示唆された。