The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

実態調査

実態調査

Sat. Jun 23, 2018 9:30 AM - 3:30 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-053] 名古屋市在宅歯科医療連携室における訪問歯科診療の実態調査

○岩崎 ひとみ1、二ノ倉 欣久1、田島 理矢子1、穂坂 一夫1、安藤 正晃1 (1. 一般社団法人名古屋市歯科医師会名古屋歯科保健医療センター)

【目的】
 名古屋市では,2016年9月より市内3区(2018年から9区,2019年からは全区)のモデル事業として同市歯科医師会に在宅歯科医療連携室を開設した。地域での対応が困難な場合には,当連携室所属の歯科医師が対応している。今後は,すべての患者を地域で対応することが望まれる。そこで,地域で継続する歯科医療を進めるための資料を得る目的で,当連携室の訪問歯科診療について調査した。
【方法】
 対象は,2016年9月1日から2017年8月31日までの間に,当連携室で訪問歯科診療を行った患者13名とした。平均年齢は90.8±5.1歳で,性別は全員が女性であった。方法は,依頼票等から依頼内容,かかりつけ歯科医の有無,生活環境,主な合併症,介護度,自立度,認知症の有無等を調べた。なお,データは連結不可能匿名化とし,個人が特定できないように配慮した。
【結果と考察】
 依頼内容は口腔ケア11名,義歯6名,嚥下訓練2名であり,口腔ケアの有用性が認識されてきていると考えられる。かかりつけ歯科医がいる者は30.8%であり,同歯科医についての啓蒙が,必要であると考えられる。生活環境は施設入所が92.3%と多く,主な合併症は認知症と大腿骨骨折後遺症が5名,高血圧症4名,脳血管障害後遺症3名の順であった。介護度は2度30.8%,4度23.1%であり,自立度はA準寝たきり46.2%,B寝たきり53.8%であった。認知症はなしが7.7%であったが,II度が46.2%と多かった。患者背景はさまざまであり,適切な対応のために幅広い知識や技術の必要性が考えられる。地域で継続する歯科医療のためには,かかりつけ歯科医の重要性を啓蒙することが必要と考えられた。