[P一般-073] 生活期の口腔ケア患者における循環動態の変動
【目的】
歯科訪問診療の対象になる患者では,予備力の低下などにより様々な偶発症を引き起こすことも考えられる。今回,在宅患者等における歯科訪問診療時のリスクマネジメントを検討する目的で,口腔ケア介入時の循環動態について調査した。
【対象と方法】
14名の歯科訪問患者の収縮期血圧,拡張期血圧および脈拍数などについて検討した。測定値は1年以上訪問診療を行った患者の値を用いた。また,それぞれの患者の口腔ケア開始前の安静時の値と口腔ケア後の値,および口腔ケア前後の変化量から,それぞれの最小値と最大値の差から変動幅(以下,Δ値)を評価した。対象者の平均年齢は78.5±10.2歳,男性5名,女性9名であった。統計処理はt検定,多重比較検定を用い,危険率5%以下を有意水準とした。本研究は福岡リハビリテーション病院倫理委員会の承諾を得て行った。
【結果と考察】
口腔ケア前後の変動比較では,各パラメーターの値に有意な変動は認められなかった。Δ値の比較では口腔ケア開始前の収縮期血圧において,口腔ケア後のΔ値と口腔ケア前後のΔ値に比べ,有意に変動幅が広いことが認められた。今回の結果より,歯科訪問診療を受けている生活期の要介護高齢者では,口腔ケア介入前の安静時の収縮期血圧において変動が大きいことが認められたことから,口腔ケア介入前の血圧評価はリスクマネジメントにおいて重要と思われた。
歯科訪問診療の対象になる患者では,予備力の低下などにより様々な偶発症を引き起こすことも考えられる。今回,在宅患者等における歯科訪問診療時のリスクマネジメントを検討する目的で,口腔ケア介入時の循環動態について調査した。
【対象と方法】
14名の歯科訪問患者の収縮期血圧,拡張期血圧および脈拍数などについて検討した。測定値は1年以上訪問診療を行った患者の値を用いた。また,それぞれの患者の口腔ケア開始前の安静時の値と口腔ケア後の値,および口腔ケア前後の変化量から,それぞれの最小値と最大値の差から変動幅(以下,Δ値)を評価した。対象者の平均年齢は78.5±10.2歳,男性5名,女性9名であった。統計処理はt検定,多重比較検定を用い,危険率5%以下を有意水準とした。本研究は福岡リハビリテーション病院倫理委員会の承諾を得て行った。
【結果と考察】
口腔ケア前後の変動比較では,各パラメーターの値に有意な変動は認められなかった。Δ値の比較では口腔ケア開始前の収縮期血圧において,口腔ケア後のΔ値と口腔ケア前後のΔ値に比べ,有意に変動幅が広いことが認められた。今回の結果より,歯科訪問診療を受けている生活期の要介護高齢者では,口腔ケア介入前の安静時の収縮期血圧において変動が大きいことが認められたことから,口腔ケア介入前の血圧評価はリスクマネジメントにおいて重要と思われた。