[認定P-31] 肺炎入院後に制限されていた食事を歯科介入により速やかに解除できた症例
【緒言】
近年,病院など急性期での嚥下診療の体制は充実傾向にあるが,慢性期の施設や在宅では体制が整っていないことが多い。そのため入院時の評価に基づく指示が,退院後も禁食や過度な制限として維持されているケースが少なくない。そこで我々は,退院後の生活の場である施設での嚥下機能を再評価し食事支援の充実を図っている。その中で,施設での介入により食事制限を解除できた一例を報告する。
【症例】
91歳女性。脳梗塞,心疾患の既往あり。普通食を摂取していたが,肺炎での入院で一時禁食となった。慢性期病院に転院後,2ヵ月で全量経口摂取となり退院,施設に入所した。入院中の評価等は明らかではないが,入院中のペースト食,水分にはとろみ付与の指示が続いており,本人・家族から食事内容の改善の希望を受け往診となった。
【診断と経過】
食事回診の所見から義歯不適合が認められた。また,食事は自食可能,むせなど誤嚥を疑う所見はないものの呼吸数が多く疲労がみられ,食事後半には機会誤嚥のリスクがあると考えられた。以上から患者の希望に対して,義歯の適合改善による咀嚼機能の回復と食形態の変更による誤嚥の有無の確認,呼吸機能の改善が有効と考えた。そこで,義歯新製を行いながら,施設の多職種と連携し,呼吸リハと食事回診を行い段階的に食事を調整した。最終的には,軟飯食まで食事の制限を解除し,嚥下内視鏡検査で確認の後,水分のとろみ付与も解除した。その後,肺炎の再発なく経過している。
【考察】
肺炎入院後に制限されていた食事を機能に合わせて速やかに調整できた。このように急性疾患で入院しても退院後には患者の機能は変化していくことを考慮した上で生活の場での食事支援をすることが大切である。
近年,病院など急性期での嚥下診療の体制は充実傾向にあるが,慢性期の施設や在宅では体制が整っていないことが多い。そのため入院時の評価に基づく指示が,退院後も禁食や過度な制限として維持されているケースが少なくない。そこで我々は,退院後の生活の場である施設での嚥下機能を再評価し食事支援の充実を図っている。その中で,施設での介入により食事制限を解除できた一例を報告する。
【症例】
91歳女性。脳梗塞,心疾患の既往あり。普通食を摂取していたが,肺炎での入院で一時禁食となった。慢性期病院に転院後,2ヵ月で全量経口摂取となり退院,施設に入所した。入院中の評価等は明らかではないが,入院中のペースト食,水分にはとろみ付与の指示が続いており,本人・家族から食事内容の改善の希望を受け往診となった。
【診断と経過】
食事回診の所見から義歯不適合が認められた。また,食事は自食可能,むせなど誤嚥を疑う所見はないものの呼吸数が多く疲労がみられ,食事後半には機会誤嚥のリスクがあると考えられた。以上から患者の希望に対して,義歯の適合改善による咀嚼機能の回復と食形態の変更による誤嚥の有無の確認,呼吸機能の改善が有効と考えた。そこで,義歯新製を行いながら,施設の多職種と連携し,呼吸リハと食事回診を行い段階的に食事を調整した。最終的には,軟飯食まで食事の制限を解除し,嚥下内視鏡検査で確認の後,水分のとろみ付与も解除した。その後,肺炎の再発なく経過している。
【考察】
肺炎入院後に制限されていた食事を機能に合わせて速やかに調整できた。このように急性疾患で入院しても退院後には患者の機能は変化していくことを考慮した上で生活の場での食事支援をすることが大切である。