[認定P-41] 舌癌術後患者が舌圧検査による定量的な舌機能評価に基づいた治療によって社会復帰した症例
【目的】
平成28年度診療報酬改定において導入された舌圧検査は,舌圧計を用いて定量的に舌の機能低下を評価し,舌接触補助床(以下,PAP)の適用の適正化や治療効果の向上を図ることを目的としている。今回,舌癌術後患者に対して舌圧検査を行い,その結果をもとにPAPによる治療と舌運動訓練を実施し,社会復帰が可能となった1例を経験したので報告する。
【症例及び処置】
66歳,男性。高血圧症の既往あり。平成27年12月に舌の痛みで当院を紹介受診され,平成28年1月に口腔外科にて左側舌癌の手術が予定されたことから,平成27年12月に術前摂食機能評価依頼を受けて当科に紹介受診された。術前摂食機能評価では,舌機能を含めた摂食機能に問題はみられなかった。術後13日目に,術後摂食機能評価を実施。舌の可動域低下を認めたため,舌運動訓練を開始した。術後28日より,紹介元の病院に転院して化学療法が開始された。術後39日に当院を外来受診し,当科では摂食機能の再評価を実施した。問診では,体重の変化はなかったものの,食事時のむせや咀嚼困難が聴取された。舌圧は3kPaと著明な低下がみられ,紹介元の歯科口腔外科とPAPの適応について相談することとなった。術後64日に当科で印象採得し,術後80日にPAPを装着した。その後も継続してPAP調整ならびに摂食機能療法を継続した。
【結果と考察】
術後2年が経過し,PAP装着時の舌圧は25.2kPaに改善した。今後も,加齢に伴う機能低下を考慮しながら,PAP調整や摂食機能療法を継続する予定である。舌圧検査により定量的に舌機能を評価することで,患者にとってPAPの効果がわかりやすく,適正な装着習慣,定期的な調整や舌運動訓練の継続などの重要性の理解を促し,さらには社会復帰につながった症例と考えられた。
平成28年度診療報酬改定において導入された舌圧検査は,舌圧計を用いて定量的に舌の機能低下を評価し,舌接触補助床(以下,PAP)の適用の適正化や治療効果の向上を図ることを目的としている。今回,舌癌術後患者に対して舌圧検査を行い,その結果をもとにPAPによる治療と舌運動訓練を実施し,社会復帰が可能となった1例を経験したので報告する。
【症例及び処置】
66歳,男性。高血圧症の既往あり。平成27年12月に舌の痛みで当院を紹介受診され,平成28年1月に口腔外科にて左側舌癌の手術が予定されたことから,平成27年12月に術前摂食機能評価依頼を受けて当科に紹介受診された。術前摂食機能評価では,舌機能を含めた摂食機能に問題はみられなかった。術後13日目に,術後摂食機能評価を実施。舌の可動域低下を認めたため,舌運動訓練を開始した。術後28日より,紹介元の病院に転院して化学療法が開始された。術後39日に当院を外来受診し,当科では摂食機能の再評価を実施した。問診では,体重の変化はなかったものの,食事時のむせや咀嚼困難が聴取された。舌圧は3kPaと著明な低下がみられ,紹介元の歯科口腔外科とPAPの適応について相談することとなった。術後64日に当科で印象採得し,術後80日にPAPを装着した。その後も継続してPAP調整ならびに摂食機能療法を継続した。
【結果と考察】
術後2年が経過し,PAP装着時の舌圧は25.2kPaに改善した。今後も,加齢に伴う機能低下を考慮しながら,PAP調整や摂食機能療法を継続する予定である。舌圧検査により定量的に舌機能を評価することで,患者にとってPAPの効果がわかりやすく,適正な装着習慣,定期的な調整や舌運動訓練の継続などの重要性の理解を促し,さらには社会復帰につながった症例と考えられた。