The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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認定医審査ポスター

認定医審査ポスター

認定医審査ポスター

Thu. Jun 21, 2018 12:30 PM - 4:00 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[認定P-16] 内科対診後に外科処置施行しその後補綴処置を行った高齢患者の1例

○幸地 真人1 (1. 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター歯科口腔外科)

【目的】
 高齢者における歯科治療では,基礎疾患を十分に考慮し適切な対応が必要となる。今回外科処置前にかかりつけ内科に対診し,基礎疾患のコントロールを行い外科処置施行し,補綴まで行った1症例を経験したので報告する。
【症例および処置】
 患者は70歳の女性,咬合不全と右側下顎臼歯部の度々の疼痛を主訴に,かかりつけ内科より当科を紹介され受診。既往歴に高血圧症と2型糖尿病があり,アムロジピン2.5mg,1錠/分1の内服加療中であった。初診時口腔内所見として,左側上顎第二小臼歯のメタルコア脱離,右側下顎第二大臼歯,第二小臼歯および左側下顎第一大臼歯の歯槽骨の垂直性骨吸収,動揺を認めた。パノラマにて右側下顎第一小臼歯の根尖部に境界明瞭な類円型の透過像を認めた。右側下顎第二大臼歯,第二小臼歯および左側下顎第一大臼歯の抜歯,右側下顎第一小臼歯の嚢胞摘出および歯根端切除術などの外科処置施行後,補綴処置を行うこととなった。術前検査で,血圧のコントロールは良好であったが,採血結果でHbA1c;7.4とコントロール不良であった。かかりつけ内科主治医対診の下,食事運動療法の再度指導後,HbA1c;6.4と改善したのを確認し,通法に従い抗生剤予防投与下で抜歯,歯根端切除術を施行した。
【結果と考察】
 抜歯窩,創部の治癒不全なく状態の改善確認後,左側上顎第二小臼歯の補綴処置および部分床義歯の作製を行った。現在義歯使用問題なく,咬合は改善している。外科処置前にかかりつけ内科に対診し外科処置施行することで,適切な対応が可能であったと考えられた。