[O1-7] 歯科診療中の循環動態に与える要因についての多変量解析
【緒言】
病院歯科は,その特性から全身疾患を持つ患者の受診が多い。これらの患者の歯科処置には,局所麻酔薬の選択や含有アドレナリン量に配慮することはもとより,処置中の全身状態を把握し,全身に影響を与える要因に配慮する必要がある。今回,歯科処置中の循環動態について,全身疾患や処置内容との関連を検討した。
【方法】
当施設において,2017年7月から11月までに局所麻酔下での歯科処置を行った124例を対象とした。局所麻酔前に血圧と脈拍を測定し,次いで局所麻酔を行った。直ちに血圧と脈拍を測定し,局所麻酔から3分後に処置を開始した。処置終了後に血圧と脈拍を測定した。局所麻酔前後の血圧と脈拍の変動には,年齢,全身疾患,局所麻酔薬投与量を説明変数とし,処置前後の血圧と脈拍の変動には,年齢,全身疾患,局所麻酔薬投与量,処置内容を説明変数として,それぞれ多変量解析した。
【結果】
局所麻酔前後の変動について,血圧には呼吸器疾患(p=0.03)が関連し,脈拍には心不全(p=0.03)が関連した。処置前後の変動について,血圧には糖尿病(p=0.04)が関連し,脈拍には糖尿病(p=0.04),歯冠形成処置(p=0.03)および局所麻酔薬投与量(p=0.01)が関連した。また,年齢が血圧変動(p=0.03)と脈拍変動(p<0.01)に相関した。
【考察】
循環器疾患だけでなく,呼吸器疾患や糖尿病も,循環動態の変動に関連していた。COPDなどの呼吸器疾患は高血圧症の成因に関与しているとされている。糖尿病は動脈硬化のリスク因子でもある。したがって,高齢者や全身疾患を持つ患者の歯科処置には,循環動態のモニタリングが必要であることが改めて示唆された。
病院歯科は,その特性から全身疾患を持つ患者の受診が多い。これらの患者の歯科処置には,局所麻酔薬の選択や含有アドレナリン量に配慮することはもとより,処置中の全身状態を把握し,全身に影響を与える要因に配慮する必要がある。今回,歯科処置中の循環動態について,全身疾患や処置内容との関連を検討した。
【方法】
当施設において,2017年7月から11月までに局所麻酔下での歯科処置を行った124例を対象とした。局所麻酔前に血圧と脈拍を測定し,次いで局所麻酔を行った。直ちに血圧と脈拍を測定し,局所麻酔から3分後に処置を開始した。処置終了後に血圧と脈拍を測定した。局所麻酔前後の血圧と脈拍の変動には,年齢,全身疾患,局所麻酔薬投与量を説明変数とし,処置前後の血圧と脈拍の変動には,年齢,全身疾患,局所麻酔薬投与量,処置内容を説明変数として,それぞれ多変量解析した。
【結果】
局所麻酔前後の変動について,血圧には呼吸器疾患(p=0.03)が関連し,脈拍には心不全(p=0.03)が関連した。処置前後の変動について,血圧には糖尿病(p=0.04)が関連し,脈拍には糖尿病(p=0.04),歯冠形成処置(p=0.03)および局所麻酔薬投与量(p=0.01)が関連した。また,年齢が血圧変動(p=0.03)と脈拍変動(p<0.01)に相関した。
【考察】
循環器疾患だけでなく,呼吸器疾患や糖尿病も,循環動態の変動に関連していた。COPDなどの呼吸器疾患は高血圧症の成因に関与しているとされている。糖尿病は動脈硬化のリスク因子でもある。したがって,高齢者や全身疾患を持つ患者の歯科処置には,循環動態のモニタリングが必要であることが改めて示唆された。