[P一般-113] 下顎歯槽堤形成術後の顎義歯の維持安定に影響を与える因子の検討
【緒言】
口腔癌術後で口腔機能が低下した場合,顎義歯により機能・形態・審美の回復・改善を行うことがある。今回,3例の下顎骨腫瘍症例に対して施行された下顎骨離断・腓骨皮弁再建術において,歯槽堤形成術後の治癒過程に相違が生じた。これにより下顎顎義歯の維持安定が良好な症例と不良な症例が生じたため,その差異について比較検討したので報告する。
【症例および処置】
症例1:59歳の男性。下顎骨化骨性線維腫で腫瘍切除後,腓骨皮弁で再建,創部安定後に歯槽堤形成術,遊離植皮術を施行し,下顎義歯型シーネを囲繞結紮した。シーネ撤去後,肉芽組織の増殖,瘢痕収縮はほとんどなく,新製した義歯の維持安定は良好であった。
症例2:66歳の男性。下顎歯肉癌で腫瘍切除,腓骨皮弁で再建,創部安定後に歯槽堤形成術,皮弁の減量術を施行し,シーネは使用せず重層したガーゼを囲繞結紮した。ガーゼ撤去後,肉芽組織の増殖は認められなかったが,瘢痕収縮によりデンチャースペースが狭小化し,新製した義歯の維持安定は不良であった。
症例3:83歳の女性。下顎歯肉癌で腫瘍切除後,腓骨皮弁で再建,創部安定後に歯槽堤形成術,皮弁の減量術を施行,ポリグリコール酸吸収性縫合補強材を貼付し,重層したガーゼを囲繞結紮した。ガーゼ撤去後の肉芽組織の増殖は顕著で義歯装着困難であった。その後,瘢痕収縮によるデンチャースペースの狭小化により,新製した義歯の維持安定は不良であった。
【結果と考察】
口腔癌術後の下顎顎義歯の予後は,歯槽堤形成術時の皮弁のタイオーバー法,植皮術の有無,タイオーバー撤去後のシーネや義歯による創部への即時圧迫の有無などによっても影響を受けることが示唆された。
口腔癌術後で口腔機能が低下した場合,顎義歯により機能・形態・審美の回復・改善を行うことがある。今回,3例の下顎骨腫瘍症例に対して施行された下顎骨離断・腓骨皮弁再建術において,歯槽堤形成術後の治癒過程に相違が生じた。これにより下顎顎義歯の維持安定が良好な症例と不良な症例が生じたため,その差異について比較検討したので報告する。
【症例および処置】
症例1:59歳の男性。下顎骨化骨性線維腫で腫瘍切除後,腓骨皮弁で再建,創部安定後に歯槽堤形成術,遊離植皮術を施行し,下顎義歯型シーネを囲繞結紮した。シーネ撤去後,肉芽組織の増殖,瘢痕収縮はほとんどなく,新製した義歯の維持安定は良好であった。
症例2:66歳の男性。下顎歯肉癌で腫瘍切除,腓骨皮弁で再建,創部安定後に歯槽堤形成術,皮弁の減量術を施行し,シーネは使用せず重層したガーゼを囲繞結紮した。ガーゼ撤去後,肉芽組織の増殖は認められなかったが,瘢痕収縮によりデンチャースペースが狭小化し,新製した義歯の維持安定は不良であった。
症例3:83歳の女性。下顎歯肉癌で腫瘍切除後,腓骨皮弁で再建,創部安定後に歯槽堤形成術,皮弁の減量術を施行,ポリグリコール酸吸収性縫合補強材を貼付し,重層したガーゼを囲繞結紮した。ガーゼ撤去後の肉芽組織の増殖は顕著で義歯装着困難であった。その後,瘢痕収縮によるデンチャースペースの狭小化により,新製した義歯の維持安定は不良であった。
【結果と考察】
口腔癌術後の下顎顎義歯の予後は,歯槽堤形成術時の皮弁のタイオーバー法,植皮術の有無,タイオーバー撤去後のシーネや義歯による創部への即時圧迫の有無などによっても影響を受けることが示唆された。