The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

その他

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Fri. Jun 22, 2018 9:50 AM - 4:50 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-124] 在宅終末期患者における緩和ケアチームの一員としての取り組み

○石塚 真理子1、大久保 隆史2、宮澤 理恵子3、三間 清行1 (1. 三間歯科医院、2. 練馬第一診療所、3. 新座ふれあいクリニック)

【目的】
 急性期からターミナル期までのすべてのステージにおいてケアを供給する「シームレスケア」の重要性が言われている。歯科衛生士は,その中でどのような役割を担当し,患者本人や家族にどこまで寄り添えるかという観点からの実践例を報告する。
【症例および処置】
 患者は90歳女性。86歳時に白内障と胆石の手術のため入院,その際アルツハイマー型認知症と肺がんが判明した。退院後在宅診療の依頼があった。家族と相談し,自宅と小規模多機能施設とで療養することになった。89歳でトルソー性脳梗塞を発症し,後遺症として歩行困難・摂食嚥下機能障害・体幹保持障害が認められた。本人に病状認識はなく,自宅への帰巣本能が強いこと,全身状態からオペも難しいこと,家族も自宅看取りを希望していることなどからターミナルケアは自宅で行うことに決定した。要介護度は5である。
【結果と考察】
 在宅内科医・在宅精神科医・訪問看護師・介護支援専門員・在宅歯科医・歯科衛生士・ケアマネージャーなどの多職種でのチームアプローチとなった。歯科衛生士としての役割は,口腔ケア・口腔に関しての残存機能の維持・患者と家族を精神的に支えることであった。ターミナル期でのケアの結果「本人の意思とプライドを守る」「QOLをギリギリまで維持すること」という状況が得られた。6ヵ月後,患者本人らしく最期を迎えることができ,家族からも十分な納得が得られた。