[P一般-125] ビスホスホネート長期服用患者において薬物性歯肉増殖症の手術的対応を行った1例
BP製剤(アレンドロン酸)の長期服用患者において,BP製剤を休薬せず薬物性歯肉増殖症に対しての手術的対応を行った1例を経験したので報告する。
【症例】
85歳女性。初診:X年12月。主訴:上顎にできものがあり義歯が装着できない。
既往歴:高血圧症(8年前よりアムロジピンを服用)脳血管障害(7年前に発症,以後ワルファリン,アセチルサリチル酸を服用),骨粗鬆症(約12年前より左大腿骨骨折にてアレンドロン酸を服用),認知症(5年前に発症,要介護3,認知症高齢者日常生活自立度Ⅲa,リバスチグミンを服用)。
現病歴:X-8年に上下総義歯を装着した。X-4年に上顎両側歯槽部に歯肉の腫脹を自覚したが,痛みもなく義歯も使用可能であったため放置していた。X-2年に認知症の増悪により特別養護老人ホームに入所した。入所後は定期的に訪問歯科での義歯調整を受けていた。X-2ヵ月より上顎歯槽部の歯肉腫脹が増大し,その一部の14,23相当部歯肉からは排膿が認められ,痛みにより義歯装着が困難となった。抗菌薬にて症状は軽快したが,歯肉腫脹の原因精査のため当科を紹介受診した。初診時,上顎両側歯槽部に表面粘膜正常,結節状で弾性軟の歯肉腫脹を認めた。画像所見では14,23,26残根を認めた。血液検査と病理検査で腫瘍性病変は否定され,薬物性による歯肉増殖症と診断された。
【治療および経過】
全身麻酔下で残根抜歯,歯肉増殖部の切除と歯肉整形術を施行した。アレンドロン酸は10年以上内服しており,短期間休薬してもその効果は判然としないため継続下に歯肉切除部は骨膜を剥離せず,抜歯窩は閉鎖創として対処した。創部経過は良好で今後,訪問歯科医師と連携し上下顎の義歯を新製予定である。
【症例】
85歳女性。初診:X年12月。主訴:上顎にできものがあり義歯が装着できない。
既往歴:高血圧症(8年前よりアムロジピンを服用)脳血管障害(7年前に発症,以後ワルファリン,アセチルサリチル酸を服用),骨粗鬆症(約12年前より左大腿骨骨折にてアレンドロン酸を服用),認知症(5年前に発症,要介護3,認知症高齢者日常生活自立度Ⅲa,リバスチグミンを服用)。
現病歴:X-8年に上下総義歯を装着した。X-4年に上顎両側歯槽部に歯肉の腫脹を自覚したが,痛みもなく義歯も使用可能であったため放置していた。X-2年に認知症の増悪により特別養護老人ホームに入所した。入所後は定期的に訪問歯科での義歯調整を受けていた。X-2ヵ月より上顎歯槽部の歯肉腫脹が増大し,その一部の14,23相当部歯肉からは排膿が認められ,痛みにより義歯装着が困難となった。抗菌薬にて症状は軽快したが,歯肉腫脹の原因精査のため当科を紹介受診した。初診時,上顎両側歯槽部に表面粘膜正常,結節状で弾性軟の歯肉腫脹を認めた。画像所見では14,23,26残根を認めた。血液検査と病理検査で腫瘍性病変は否定され,薬物性による歯肉増殖症と診断された。
【治療および経過】
全身麻酔下で残根抜歯,歯肉増殖部の切除と歯肉整形術を施行した。アレンドロン酸は10年以上内服しており,短期間休薬してもその効果は判然としないため継続下に歯肉切除部は骨膜を剥離せず,抜歯窩は閉鎖創として対処した。創部経過は良好で今後,訪問歯科医師と連携し上下顎の義歯を新製予定である。