The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

その他

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Fri. Jun 22, 2018 9:50 AM - 4:50 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-127] 口腔乾燥症患者のために新たに開発した義歯安定剤の物性評価

○板津 遼子1、大野 友久2、守谷 恵未1、佐藤 裕二3、角 保徳2 (1. 国立長寿医療研究センター歯科口腔外科部、2. 国立長寿医療研究センター歯科口腔先端診療開発部、3. 昭和大学歯学部高齢者歯科学講座)

【目的】
 超高齢社会を迎え口腔乾燥を訴える患者は増加している。その中で義歯を装着している高齢者は,適切な義歯安定剤が必要な場合がある。しかし,現状では口腔乾燥を考慮に入れた義歯安定剤は存在しない。そのため,我々は口腔乾燥症患者のための新しい義歯安定剤を開発し,その物性評価を実施したので報告する。
【方法】
 ジェルタイプの義歯安定剤(DM)は,口腔乾燥を考慮に入れ適切な特性を有するように作製した。本研究では,義歯維持力,チューブからの押し出し抵抗,水洗による義歯安定剤除去の容易さの3つについて,DM,新ポリグリップ(NP)およびバイオティーンオーラルバランスジェル(BT)と比較した。維持力については,国際標準化機構(ISO10873:2010)に準拠し,ポリメチルメタクリレート(PMMA)の板に義歯安定剤を塗布し,水浸漬10分間(正常口腔モデル),1分間(中程度口腔乾燥モデル),および暴露なし(重度の口内乾燥モデル)の3つの条件下にて評価した。押し出し抵抗値は,サンプル2.5mlを18G針が装着されたシリンジからオートグラフにて押し出す時間を測定した。水洗除去の容易性は,PMMA板から材料を洗浄するのに必要な時間を測定した。
【結果と考察】
 重度の口腔乾燥モデルでは,DMは他の2つよりも十分な維持力を発揮した。押し出し抵抗は,DMはNPよりも押し出しが容易であった。除去の容易性は,BTが最も簡単に除去され,続いてDMが容易で時間的には大きな差はなかった。 NPは水洗除去が非常に困難であった。以上の結果より,新しく開発されたDMは,口腔乾燥症患者のための義歯安定剤として適切な物理的性質を有することが示唆された。